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あるところに愛らしい少女と無愛想な少女が居ました。
基本的に忍たまから嫌われているくのたまでしたが、愛らしい少女は違いました。えげつないことを普通にするくのたまとは違う。忍たまだからと馬鹿にしない。実力があるのに鼻にかけない、謙虚な性格。そう、まるで天女のような女性だ、と男女ともに評判でした。
それに対し無愛想な少女は、噂にもならない程に無愛想で、無口で、影が薄く、まるでくの一になるために生まれてきたかのような性格だと、一部は語ります。「誰もそんなこと言ってないけど?」「……」「無愛想?影が薄い?そうしてるだけじゃん。本当はこーんなにも笑うし、どこに居たってすぐにわかるぐらい存在感あるよ?あぁ、でもくの一になるために生まれてきたっていうのは当たってるかも!だって俺をこんなにも簡単に魅了して病まないんだから!もう、どんだけ魅力あるの?やば、愛してる」「…………」

…………そんな愛らしい少女と無愛想な少女は親友です。そして、くの一教室において最高上級生でもありました。
元々くのたまは、忍者を志す者が多い忍たま達とは違い、行儀見習いなどの理由で在籍している者が多いのです。
それ故に、家の方で婚約が決まると同時に学園を出ていく生徒がほとんどで、下級生は多いものの、上級生は四、五、六年生を合わせても五人しか居ません。いえ、六年生は居ないので、四年生が三人、五年生が二人という構成になっています。「ねーえ、俺に構ってよー」

…………愛らしい少女の名前は、苑山霞。清い心を持つ女の子。そして、無愛想な少女の名前は、「澄宮芹。そして芹を愛して病まない俺は五年い組の尾浜勘右衛門。芹、愛してる!」



「…………はぁ…」



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テーマ「人外ファンタジー」
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