アンケートより、ストーカー赤葦の続き。

何か変わったことがこれといってあったわけじゃない。でも、やっぱり何だか違和感を感じるのだ。この部屋…自分の部屋なのだけれど。家族に、勝手に部屋に入った?と尋ねてみても答えはノーしか返ってこない。嘘をついているそぶりも無い。朝脱ぎ捨てたパジャマもそのまま…。まあだいたいこういうのは結局気のせいだっていうオチが待ってるもんだ。気にしないでおこう。

と、思ったのが一昨日のこと。


思考が止まった。開けたままのドアもそのままに、足が鉛のように重く感じる。何故って、だって、私の部屋にどうして、赤葦くんが、いる…?

「…な、なんで…」
「…なまえ、今日は買い物じゃなかったっけ?やっぱり休日は危ないな。」
「…は?」

どうしよう頭がついていけない。何で買い物に行っていたことを知ってるの?人の部屋で何してるの?なんでわたしのバレーボールを抱えているの?これ本当に赤葦くん?恐怖と混乱で涙があふれてくる。

「泣かないで。」
「こ、こないで…!」

嘘だ嘘だ嘘だ。あの優しくてしっかり者の赤葦くんがこんなこと、ありえない。立ち上がって近づこうとする赤葦くんを拒否して逃げ出そうとした。けど足が思うように動かない。振り返って足を踏み出したが、足がもつれて倒れてしまい、床に手をついてしまう。怖い。

「なまえ」
「いやだ!」

すぐ後ろで声がして、逃げなきゃ、と無理やり立ち上がると案の定体がふらついた。そして支えるように赤葦くんがわたしの腰に触れる。そして抱きしめるように腕を巻きつけられた。密着する体温に声にならない悲鳴があがる。体が強張る。

「そんな顔しないで ーー 」

耳元で囁く彼は、誰なのだろう。

(興奮するだけだから)
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -