気の弱い新任教師とぐいぐいいっちゃう生徒赤葦くん

「先生、好きです」

好きなんです、すみません。

いつもの気だるげな瞳が今日はやけに私の瞳とリンクする。すみません、なんて絶対思っていない。それくらい強い眼差しで射抜かれてしまっていて、だけど逸らすことを許さない彼の視線に戸惑うばかりだ。えっと、彼はいま、なんて、

「え、えっと、赤葦くん?ごめん、それは、ありがとう。先生嬉しいよ」
「…教師としても好きですが、それ以前に異性として好きです。」
「へ、あ、うん、あー、それはたぶん勘違いだよ…」

きっと思春期に良くあるやつだよ。年上の異性に憧れて、それが恋だと勘違いしちゃうタイプだよ。うん、学生の時沢山いたものそういう子。へへ、と笑うと赤葦くんは眉間にしわを寄せてしまった、どうしようちょっと怖い。

「なまえさん」

突然名前を呼ばれて心臓が跳ねた。一歩、近づく彼に一歩下がる。すると長い脚を利用してぐんっと距離を縮められた。背が高いせいですごく見下ろされている。年下なのにすごい気迫、といいますか、ううん、年上なんだから私がピシッといかな「ひぁ…!」

いきなり頬に手を添えられ指先で、つつ、となぞられた。変な声出た。泣きそう。

「本気です。」
「だだだだからそれは憧れみた…へ!」彼の唇が私の頬に押し付けられた。触れた部分に未だ強く残る感触が、私の顔に熱を集める。

「な、なにして…「次、唇にしますよ?」だ、だめ!」「本気って伝わりました?」「わ、わかった!伝わった!」「ならいいです」

やっと離れてくれて彼に、ほっと一息。刹那、理解し難い言葉が耳に入ってきた。

「付き合いましょう」
「いや、それは、だめだよ…!」
「どうしてですか?またキスして「しーっ!赤葦くんここは学校だよ!何いってるの!」
「じゃあ一緒に帰りませんか?僕の家なら構いませんよね」
「構います!いけないことだよ…!」

はぁ、わがままですね。

なんてため息を吐く彼にこちらがため息をつきたくなる。

一体どちらがわがままなんでしょうか!彼は本気で、す、好きなのかもしれないけれど、さすがにだめだと思うんです。だって教師と生徒だなんてそんなのありえないでしょう。

みなさん、こういうときはどう対応すればいいのですか?
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