「先輩、」「今までありがとうね、古橋くん。」いつも綺麗ななまえ先輩は今日は一段と綺麗だ、口下手な俺は心の中で思っても口に出すことができない。「いえ、こちらこそ…お世話になりました」先輩は海外に行くらしい。海外でボランティアの仕事を学ぶ、なんていかにもお人好しな先輩らしい。海外ってなんだ。それってもう会えないんじゃないのか。ここに残って俺に嫁げばいいのに。ぐるぐるとめぐる黒い感情に俺はいつの間にか泣いていたらしい。「驚いた、古橋くんの泣き顔なんて初めて見た」眉を下げて困ったように笑う。なまえ先輩の前で泣くつもりはなかったのに。俺いますごく情けなくないか。止めたいのにこぼれる液体は止まることを知らない。

先輩の指先が俺の眼に溜まる涙を拭う。離れようとした白い手を咄嗟に掴んでしまった。細い。こんなすぐに壊れてしまいそうな貴方を離したくない。「古橋くん?」好きです。ずっと、好きでした。これからも、好きでいていいですか。「…また、会えますか」

「…うん、会えるよ」そう呟いた先輩の顔に春風によって舞い上がった髪の毛が邪魔をする。先輩の顔にかかる髪の毛を除けて耳にかけると、先輩は笑っていた。俺の好きな優しい笑顔で。




▽雅様!素敵なリクエストありがとうございました!古橋くんを選ばせていただきました^^にしても短くて本当に申し訳ないです…、卒業式って切ないですよね。苦情いつでも受け付けてます!この度はリクエストありがとうございました。


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