「なまえちゃん」

今日もハードな部活が終わって、備品などの整理をしていると御堂筋くんに名前を呼ばれた。「どないしたん?御堂筋くん」ベンチに腰掛けてる御堂筋くんに振り向いて聞き返すと、「帰り、何か用あんの?」と目を逸らして呟いた。「用?ないけどなんでやの?」「その、腹減ったんやけど」「ん?」「やから、一緒に食べに行かへんかって」初めて部活終わりに誘われた。みんなは御堂筋くんのことを怖いと言うけど実は優しさもちゃんとある。そんな御堂筋くんから誘われて断ることはないのだが、タイミング良く…ないけど、財布を家に置きっ放しだということに気づく。「めっちゃ行きたい!けど…」「けど?」「今日はお金持ってないねん。悪いなあ」ザクのくせにキモいって言われるやろうか。と思っていると「キモ、誰も金出せ言うてないやろ」と言った御堂筋くん。「え?」と聞き返すと、「やから!奢ったる、て言うてるんやけど」と少し頬を染めて言う御堂筋くん。「え!ええの?倍返しせえとか言わん?」茶化すように言うと「言わんわ。やからはよ用意して」と嫌そうな顔をして、腕を引っ張ってくる。「わ、待ってや」備品詰めたら終わるで、と言うと「おーそーいー」と地団駄を踏む。舌打ちしながらも扉の前で待ってくれている辺り、やっぱり優しい。

(お待たせ。ほんで、どこ行くん?)
(食べたいもん言いない)
(え。ほんまに?ステーキ)
(自分めっちゃ図々しいで…)





▽まる様!おまかせ、ということで甘い御堂筋くんを書かせていただきました。苦情はいくらでも受け付けますので何かありましたら言ってやってくださいませ。この度はリクエストありがとうございました。

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