夏の終わり、秋が近づくと冷たい風が吹き季節の変わり目を伝えてくれる。 そう、この季節、早朝6:00のグラウンドなんて寒い以外の何物でもない。「寒い!」冷めきった身体の体温をすこしでも上げようと両手のひらをこすり合わせる。まあ、そんなもの気休めにしかならないのだけれど。 何でこんな早くに登校してるかというと、大切なものを失くしてしまったから。大切なものとは、ヤマケンから貰ったiPhoneのイヤホンジャック。私が前にペンギンが好き、とヤマケンに教えたところ、何故かあのヤマケンがペンギンのイヤホンジャックをくれたのだ。どこにあったの?と思うくらい可愛いペンギン。だから、失くしたときは本当に焦ってしまった。いや、現在進行形で焦ってるけどさ。だって、あのヤマケンだよ?知られたら殺されかねないよ?どーすんの? 昇降口からグラウンドに出るまでは携帯を弄っていて、そのときはちゃんとついていたから多分グラウンドで携帯をしまった時に落としたんだと思うんだけど。てか、このグラウンド広くね?この中から1人で探すの無理じゃね?でも、探さなくては私の命が危ないんだよね。 グラウンドに四つん這いになりながらペンギンを探す。 「あれ?みょうじさん?」 「! ササヤンー!」 「落し物かなんか?」 「うん!ペンギンのイヤホンとこにさすやつ、」 「ああ!みょうじさんがそれつけてるの見たことあるよ。どこに落としたの?」 「多分、このグラウンド…。そういえば、ササヤンこんな時間にどうしたの?」 「朝練があるからさー。今日はなんか目覚め良くて早く来た。」 「朝練かー。じゃなくて、探さないと!」 「あ、俺も探すよ!」 「いいの?」 「もちろん!」ササヤン最高。大好き。ササヤンも一緒にさがしてくれることになった。「ササヤンは私のヒーローだね!」 「えー?そーかなー?」「うんうん!」「みょうじさんのためならいつでもヒーローになるよ」「えっ」 ササヤンがあまりにも綺麗な笑顔で言うもんだから、どきっとした。ああ、多分いま顔赤い。 マイヒーロー 結局ペンギンは見つからずヤマケンに怒鳴られました。 ハ「ん?おーい!シズク!名古屋の小屋ん中にペンギンがいる!名古屋ってペンギンも産むのか!?」 シ「ハル、きっとそれはなまえのだと思う」 ーーーーーーーー 某診断サイトで名前を入れると恋愛お題を診断してくれるものを利用しました。 お題:「早朝のグラウンド」「さめる」「ヒーロー」
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