小さい頃に魔障を受けた私は、悪魔が見える。でも、別に私のことを狙ってきたりとかはしないし、私は悪魔のことが嫌いなわけでもない。




「みょうじさん。」




ただ、この悪魔は苦手である。



「何ですか、アマイモンさん」


「みょうじさんに会いたくなったので」


「っ!、ちょ、そういうことをサラッと言えちゃうのが凄いですよね。」


「?、そういうことって何ですか?」


「いや、何でもないです」




んー、天然なのか?というか天然タラシ、なんだろう。



アマイモンさんと出会ったのは1ヶ月前。寮で自炊してたら、いきなり逆さまになって天井から現れた。


「いい匂いです。食べてもいいですか?」


涎を垂らしながら言うもんだから、驚きつつもあまり自信の無い料理を振舞った。美味しいです!、て食べてくれるアマイモンにちょっとドキっとしたのは内緒にしておこう。



それから、何故かつきまとってくるアマイモンさん。そして知らない内に私の電話の連絡先に追加されていたアマイモン、という字。ちょっと嬉しかったけど、普通に交換しようって言ってくれたら良かったのに、



「みょうじさん、久しぶりにお菓子食べたいです。」


「ん?あ、これあげようか?さっきコンビニで買ったんだー」


「みょうじさんの手づくりが欲しいです」


「私の//? あー、うん。今から作るよ」


「ワーイ!」



うーん、何を作ろうか。



お菓子か。あ、プリンでも作ろうかな!私も食べたいし。



ーーー



「アマイモンさん。できましたよ」


「ありがとうございます。食べてもいいですか?」


「うん。涎、拭いてね。机の上に水たまりになってるから」



作っている間、一言も話しかけて来なかったからちょっと心配した。いつもなら、「まだですかー?」て1分おきくらいに台所によだれを垂らしにくるのに。なんか、真剣な顔して考え事をしてるみたいだったし。



「みょうじさん」


「何ですか?」


「僕と、おつきあいしてください」


「ーっごほっごほっ」


「大丈夫ですか?」




アマイモンさんが背中を摩ってくれる。てか、え?おつきあい、だと?



「私と?」


「貴方以外に誰がいるんですか?馬鹿なんですか?」


「え?いきなり毒舌?」


「僕、待つのは嫌いなんです。すぐに返事してください。」


「え?え? その、」


「僕のこと好きですか?」


「、そりゃあ、まあ、好きだけど」


「じゃあ、付き合いましょう!」


「う、うん…?」




ワーイ!と喜んでいるアマイモンさん。すごいいきなり進展しちゃったんだけど。まだ、心臓ドクドクしてる。顔、赤くないかな?





おつきあいしてください



ものすごく嬉しかったです。




(兄上、みょうじさんとお付き合いできました)
(な、なんだとおお?! 私のみょうじくんが…!というかお付き合いってどうやってしったんだ?)
(うーん、兄上のゲームで好きな子にはコクハクとやらをするものだと教わりました。)
(貸さなければよかった)



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