「お兄ちゃーん」

「なんだ?」

「夜ご飯要らないってお母さんに言っといて」

「あ?なんでだよ」

「お兄ちゃんには関係ないの〜」

「関係なくねぇだろ。で?どこに?誰と?」

「だから関係な…っていたい!腕引っ張んな!」


「いいから、言えよ」


「そんな睨まないでよ。べつに、友達と遊ぶだけ!」

「性別は」

「………女」

「この前のお前の物理のテスト父さんに見せ「あああああ!ごめんなさーい男の子でしたてへぺろ」

「誰だ?そいつ。お前の同級生か?」

「ほらねーだから言いたくないんだって。てかてへぺろスルーしないでよ」

「話そらしてんじゃねーよ。言え」

「…同じクラスの男の子だけど」

「チッ」

「もーいいでしょはい腕離してください」

「お前さ、そんなこと言われて俺が離すと思う?」

「は?」

「とりあえずそいつは潰すとして出かけることは許さねえからな」

「ちょっと意味がわかんない」

「うるせぇ言う通りにしろバァカ」

「ちょ、ほんと無理ばか!お兄ちゃんのこと嫌いになるよ?!」

「…お前が俺のこと嫌いになるわけねぇだろ」

「…自意識過剰の最低男」

「知ってる」


べー、と出した舌を思い切り引きちぎってやりたくなった。


「てかさっきの潰すってなに。」

「ふはっ知らない方がいいんじゃね」

「はぁーもうしーらない」


助けようともしない私は所詮悪童の妹ってわけである。




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