学パロ リゾットは見た目はあんなだが、友達思いで真面目な人である。それなりにモテるし彼女には困らなさそうな人であるが、なぜか彼女は作らない、と言う。 そして私は気がついた。 「リゾットって…ホモなんでしょ?」 その場にいた全員が凍りついた。 そりゃそうだよね、あんな人がホモだな「おい、なまえ。」 「ん?なに?恥ずかしがらなくてもいいんだよ!最近はそ、そういうの普通として「殺されたいのか」 「ねえなまえ、どうしてそーなるの?」 お下げのイルーゾォがニヤニヤとした表情で問う。 「だってリゾットモテるのに、なんで彼女作らないのかな?って」 「あはは!リゾット、もっとがんばった方がいいみたいだね」 「うるさい。」 「え?なになに?なんでみんなそんな驚かないの??」 「あのなあ、なまえ。こいつはホモじゃねーぞ」 「ホルマジオの言う通りなの?リゾット」 「ああ。あいにく男には興味ない」 「ええ!そうなの?じゃあなんで??恋愛にも興味ない的な?」 「…それは、」 リゾットが途中で言葉を呑んでしまった。なにか伝えられないようなことなのだろうか。もしかして変なことを言ってしまったのだろうか。少し申し訳なくなって、無理に言わなくていい、と言おうとした刹那、リゾットが急に立ち上がった。 「なまえ、」 「え、あ、はい?」 「俺はお前が好きだ」 「は?」 「なかなか伝えられずにずるずると一年の時から引きずっていた。」 「はぁ…」 「その、告白なんてしたらこの関係が壊れてしまうかと思ってな…」 「はぁ、え?」 「俺と付き合ってくれないか」 「え、ええ、エエエ…本気で?本気なの?」 「本気だ」 顔中、いや身体中に熱が広がっていく。どどどうしよう、周りの好奇の視線とかリゾットファンの痛い視線が突き刺さってくる。 真剣に、不安が入り混じったリゾットの瞳が私を捉えて離さない。 「…〜〜っ!!」 「なまえ!」 耐え切れなくなってその場から逃げてしまった。 本当はリゾットのことが好きだった。でも、ありえないと思ってずっと友達のままで過ごしてきた。いつまでもリゾットのことをずるずると片思いするしているのも辛くて、早く彼女でも作って離れていけばいいのに、でも離れたくないな、そんな思いで過ごしてきていた。 教室から出て、走り疲れて階段に座り込む。勢いで出てきたけど授業までに戻んないと行けないんだよね…もうこのまま帰ろうかな。あ、だめだ携帯机の中だ… 「なまえ!」 追いかけてきたのか、リゾットが息を切らして階段を登ってきた。 「リゾット…」 「なまえ、すまない。気分を害すようなことを言って、「ちがう!ちがうよ!」 「え?」 「その、リゾットの告白が嫌で逃げたんじゃなくて…その…!う、嬉しかった!です!」 「え?」 「わ、私も…好き…みたいな」 どんどん声量が小さくなって羞恥心で潰れそうになった私は、スカートの裾をぎゅ、と掴んでうつむいてしまった。 「本当、か?」 「こ、こんなこと嘘ついてどうするの…」 「…じゃあ、付き合ってくれるってことか?」 「…う、うん」 小さく頷いたとたん、ぐいっと腕を引っ張られて、リゾットの腕のなかに入ってしまった。 「ちょ、ここ階段…!」 「うれしい。ありがとう」 「お礼言われるようなことじゃ…ない、よ」 「ああ。そうだな」 そろそろ、と回すか回さないか迷いながらも腕をリゾットの腰に回すと、私を抱きしめる腕がきつくなった。 (あの二人上手くいったかな) (いくだろー) (うざいくらい両片思いしてたからな) (そうか、ついになまえが…そうか) (イルーゾォコワイ)
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