うわ、ねっむ。ふぁーと欠伸を何回もしてしまう。あれだな、きっと。あれのせいだ。 「なまえ、さっきから欠伸ばっかりだな」 「あ、プロシュート先生、おはようございます。」 「ああ、夜更かしか?」 「え?あー、中々寝れなくて」 「何故?」 「ちょっと考え事を…」 「なまえー!おはよっ」 「うわ、メローネ」 「あさから煩いな」 「ハハ、2人とも酷いな」 「なまえの寝不足はメローネのせいじゃあないのか?」 プロシュート先生は冗談で小さく笑いながら言うけど、私は図星だった。寝る時にはチラチラ思い出してしまう。そんなこと、言えないけど。 「え、なになまえ寝不足なの?俺のせいってことは…俺をおかずにオナ「だまれええええ!」 「なんだー、違うのかい?」 「違うに決まってんじゃんばか。変態」 「俺は毎日なまえのこと考えて寝てるよ?」 「は…」 いつもなら、一発殴るのに。 いつもなら、いくらでも暴言はけるのに。 なぜか、ちょっと嬉しいとか。恥ずかしいとか。もうわかんなくなってただ顔に熱が集まってくる感覚がしてくる。 「なに、も、知らない!!!」 「おい!なまえ?!」 その場に居たくなくて振り返らずにただ走った。教室は反対側だけどいまは教室にも居たくない。 「メローネよぉ、お前あいつのことからかってんのか?」 切れ長の眼がもっと細められて疑っている視線を送ってくる。その眼をしっかり見据えて笑いかける。 「ヤダなぁ、本気だよ?」 【メローネ視点】 フンッと鼻で笑って廊下を進んでいくプロシュートせんせー。あいつは俺の叔父だ。せんせーなんてつけたくない。嫌いという訳でもないが好きでもない。なんていうか、タイプが違う。ちなみに女の好みも。 たしかに、俺は本気で女の子と付き合ったことなんてない。それをみてきたプロシュートは俺にからかうならあの子に構うな、と言いたいのだろうか。あの子、なまえはプロシュートの好みでもないのに。何がプロシュートを引きつけているのだろう。いや、それは俺も同じか。なまえはいままでに引っ掛けてきた女の子とは大分かけ離れている。 ただ一つわかるのは、 本気でなまえに愛されたいと思っているということ。 それだけで、いい。 今まで付き合ってきた子達なんか関係ないんだ。 【なまえ視点】 なんなんだこれ。こんなんじゃあ、わたし、まるで…! 「恋してるみたいじゃん…」 「へー、だれに?」 「うええええああ?!」 「はは、なまえのリアクションいいね」 「メローネ…なんでここ…授業はじまるよ?!」 「それはなまえもでしょ。」 「ま、あ、そうだけど」 「はあー、悪い子だなあなまえは。」 「なによ、同じじゃない」 「まあね。あ!これ、どーぞ」 「ん?」 はい、と手に乗せられたのは イチゴオレ 「え、なんでよ」 「走ってたから疲れてるかなーって」 「…なんで最近あんたはそういう…」 「あれー?!照れてるの?!ベネ!」 「だ、だまれ!!照れてない!」 火照った顔を冷ますために貰ったイチゴオレをゴクッと一口のむ。 「…じー」 「なに、」 「いや、美味しそうだなーって」 「……ああもう!飲めば?!」 「なまえ〜〜〜っ!」 「ひゃっ、ちょ、抱きつくな!」 私の腰に腕を回してイチゴオレを飲むメローネ。あれ、これ、 「間接キス、だね」 耳元で妖艶に囁かれて心臓が飛び跳ねる。顔が、身体が、あつい! 「はな、せっ!変態!もうそれいらない!ばーか!」 できるかぎりの力で押し返して距離を取る。心なしかハァハァしてるメローネの股間を避けたのは惚れた弱みでしょうか。 ああもうなんでこんなやつ…。 後ろから走ってくる音が聞こえて何故か少し嬉しいと感じる自分は、もう完全に、メローネ中毒なんだ。
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