「露伴せんせ」 馬鹿は風邪引かないって、誰が言い出したの?目の前に馬鹿が熱出して倒れてるっての。いっつも憎たらしいくせに大人しい露伴先生はいつもと違う 「…何でいるんだ?」 「康一くんがデートで来れないから代わりに行ってあげてってさ。あの人1人だからって」 「…そうか」 あらら?ほんとに大人しいのね。いつもなら ふん、別に僕は1人でも困らないさ とかなんとか言うだろうに…。 「本当に元気ないの?」 「それ、病人にいう言葉かよ?」 「馬鹿はなんとか…っていうじゃん?」 「…はぁ、もういいお前と話すとつかれる。」 「そーですかー。あ、これ。どぞ」 来る途中にオーソンで買ってきた薬とかスポドリとか熱冷まシートもろもろ。先生は私がそんなことをしてくれるとは思ってなかったようで少し驚いている。…って失礼ね!私だってそれくらいは! 「ありがとう」 「……え?」 うわあ、この人が私にありがとうなんて! そんなの女として当たり前だ、とか言いそうなのに…。さすが、先生もウイルスには勝てないのね。 買ってきたものを冷蔵庫にしまって、ベッドに近づき、未だ顔の赤い寝ている露伴先生をみる。いつものヘアバンドしてない。髪も少しボサボサだ。睫毛多いなあ。 あ、目が合っちゃった。いつもと違う赤い顔にほんのり涙目。そして薄く開いた唇…。なんか私がいけないことしてるみたいじゃない。 目が合ったままの沈黙に耐えきれなくなってサッと立ち上がる。 「じゃあ、そろそろ行きますね」 「…まて、」 踵を返して帰ろうとしたら、翻ったスカートの端を掴まれた。いや、せめて手を掴んでよ。パンツ見えそうじゃん!一言いってやろうと、振り返った瞬間、小さな声が聞こえた 「もう少しだけでいいから、ここにいてくれ」 先生に負けないくらい顔が赤いと思う そんなまっすぐ見つめられたら、 断れないでしょ ずるいなあ 「…いいよ。」 ベッドの横の床に座る。すると、先生は安心したのか、瞼を閉じた。 体調不良 悪くないかもね。
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