「仗助くんと、本当に仲いいよね!なまえって」



友達からそう言われるくらい私と仗助は仲が良いらしい。幼馴染だしそう見えるのかな?まあ、一緒に帰ってるからよく恋人と間違えられるんだけど。


私と仗助はたぶん、付き合わないんだとおもう。仗助が私と仲良くしてくれるのは、私が仗助のことを好きになることがないから、なんだよ。


仗助は毎日毎日女の子に黄色い声援を贈られるくらいモテてる、嫌がってはいない。でも、私は仗助に「かっこいいね」「好きだよ」なんて言わない。


だから、安心してるんだよ仗助は。


そして私も、安心してる。





「なあ、なまえ。仗助って小春ちゃんのこと好きって本当なのか?」


「え?そうなの?」


「えー!なまえも知らないんだなあ!極秘らしいぜ〜」


「…へえ、仗助、好きなんだ」


「お?傷ついちまったのか?」


「…べっつにー!あんたも早くご飯食べちゃいなよ!ほらほら!」


「はいはい!お母さん!」


「だっれが、お母さんだって?」


「う、嘘だよ、冗談だあああ!スタンドを出すなあ!」


「あはははっ」







仗助…好きな人いるんだ…。


目から涙が何故か溢れる。
胸が苦しい…痛いよ…


私、気づいたのが遅かったんだ。

私は仗助のことが好きだ。

でも一緒にいられなくなることが怖くて隠してた。



何よ、私の方が仗助のことよく知ってるのに。もう、やだ…







「よう、なまえ」


「…仗助、おはよ」


「どうした?元気ないぜ〜」


「そういうあんたは元気そうね」


「そうなんスよ〜、なまえ〜!聞いてくれ!」


少し照れてる仗助、あ、小春ちゃんのことね。私、感はいいから。




「いやよ」


「何でっスか〜、聞けよ〜」


「知ってるわよ」


「え〜?」


「好きなんだってね、小春ちゃんのこと」


「ンだよ。知ってるのかよ〜。でもな!昨日、俺たち付き合ったんだぜ?」


「…え、あ、そうなんだ」


「どうだー?羨ましいだろ?」


「…べつに!」



ムカついたから仗助の肩を思い切り殴ってやった



「…っっグレート〜〜〜!」


「ああ、もう早くいくよ!遅刻する!」


「待てって〜〜」



テンション高い仗助がむかつく。付き合ってるって知ってイラついてる自分もムカつく。






「あ、」


「なに?」




仗助が何かに気づいたようにこちらへよってくる。私の耳元に後ろから、呼吸が分かるくらいに近づいた仗助。一気に体温が上がる私の横で仗助が言う



「あれ、どう思う?」


「え?」


仗助が指差した方向には、小春ちゃん。ああ、そうね、



「とってもにあってるよ」


「へへ、そうか〜?やっぱり〜〜?」


「ええ、とても」


「あ、このことは黙ってろよ!あんまり広めると小春が嫌がるんだよ〜。これ、なまえに1番初めに教えたんだからよ〜!」


「…1番初めね〜。まあ、黙っててあげるわよ。」


「…お前も早く良い人見つけろよ?」


「うっさいわね!早く自分の教室行きなさいよ!!」


仗助の横腹に思い切り蹴りを入れた。私の力なんて全然痛くないんだろうけど、せめてもの抵抗。



「グレート!!」



なにもしらないくせに。早く良い人見つけろよって誰に言ってるか分かってんの?


からかわないで、エラそうに






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工藤静香さんの曲を聴きながら

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