ぴんぽーん




学校帰りに露伴先生の家に寄ってます。ああ、緊張するう…!なんてったって今日はバレンタインなのです。ええ、本命チョコとやらです。露伴先生に。



先生のことだから受け取って貰えないかもしれないけど…。でも、渡すしかない。仗助達にすごい励まされたし!大丈夫!




「はい」


「あ、先生!なまえで「何の用だ?」


「あ、はい。あの、ちょっと…お話が!」


「みられると面倒だ。入れよ」


「はーい」




家にはいることは成功。



「あ、」



リビングに入ったときにある景色に目を奪われた。


机に山積みの、可愛らしいチョコレート達。きっとファンの子達からのチョコだろう。



「で?用って、なんだ?」


「えあ、あ、はい。あの、チョコ」


「チョコ?」


「チョコ、たくさんありますね。それ」


「ああ、僕のファンからのものだ」


「凄いですね」


「ふん。こんなもの渡してどうだっていうんだ。まず一人でこの量は食べられない。」


「女の子は、渡すだけでもすごい勇気いるんですよ」


「僕には関係ないな。捨てるだけだ」


「え!捨てちゃうんですか!?」


「君はこの量を僕が食べれるというのか?」


「そうは思いませんけど…」



それじゃあ、私が渡しても…捨てられちゃうの?どうしよう…。



「それより何の用なんだ?良い加減仕事があるんだが」


「あー、ですよね…。」




カバンに手を突っ込んだまま動けなくなってしまう。露伴先生の視線が、痛い。



「やっぱり何でもないです!帰ります!失礼しましたあ!」



「…待て」



帰ろうとした腕を掴まれて動けない。



「渡すもの…あるんじゃあないのか」


「え?」



驚いて先生の方へ振り向くと、顔を赤くしてそっぽを向いている先生。



渡すならいましかない!



「あの、これ!どうぞ!」


「…仕方ないから貰ってやる」


「抹茶の生チョコです。あ、でも捨てちゃいますよね?すみません。気をつかってもらっちゃって」


「…これは、義理か?」



「あ…えと、いえ。本命、です」



ふっ、と先生が笑った気がした。恥ずかしくて下を向いてしまう



「捨てない。」


「え?でもさっき…」


「あれは本命じゃあないし、たとえ本命があっても君のだけで良い」


「あえ、それって」


「抹茶が好きなんだよ」



「うわぁ!」



掴まれていた腕を思い切り引っ張られて先生の胸へ飛び込んだ



「受け取ってやってもいい」


「…先生、ありがとうございます」






ハッピーバレンタイン!




(美味しいですか?先生)
(まあまあだな)

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