「気分はどうですか」

「良くはないです」わたしの返答が気に入らないのか、京治くんは膝を抱えて座っているわたしの隣にやってきて、強制的にわたしの頭を彼の方に向かせた。顎を掴まれている。地味に痛い。

「もう3日も経つのに」
「日が経てば経つほど京治くんが嫌いになります」
「それでもいいです」

これは参った。もうわたしには、なす術は無いのだろうか。この部屋に3日前にやってきたわたしにストレートパンチを食らわせてやりたい。彼は何故、わたしをこの部屋に閉じ込めているのだろう。

「俺はあなたが好きです、一生」
「重い告白をありがとうございます」

夜ご飯、何がいいですか?なんて、わたしの皮肉をなんとも思っていないように返されてしまった。メンタル強いな京治くん。

「じゃあ、ファミレスでも何でも連れて行ってください」
「白米でいいですか」
「あ、味噌汁もお願いします」

ダメだ。この人はわたしを絶対にこの部屋から出してはくれないんだ。彼は外には出してくれないが、わたしに暴力を振るうわけでもない。ただただこの部屋で一緒に過ごしているのだ。彼に言わせれば同居、だがわたしからしたら普通に監禁である。この部屋に一つだけある窓から逃げようと思ったけれどその場面を京治くんに見られ、翌朝目が覚めると足枷が左足に付いていた時は心底焦りました。



それからご飯の準備をしてくれた京治くんが、うずくまったままのわたしの手を優しく引いて椅子に座らせた。テーブル上には白米と味噌汁だけじゃなく、お魚も野菜もあってしっかりとした料理が並べてあった。いただきます、と言った京治くんにつられてわたしも、いただきますと手を合わせる。

京治くんの作った料理は美味しいが、だからと言っていつまでもここにいるわけにもいかない。わたしは一人暮らしだけれど、何時迄も帰ってこなければさすがに大家さん達も不思議に思う…はず。うん。「なまえさん、」もんもんと考え込んでいると、京治くんに声をかけられた。

「?」
「子供は欲しいですか?」
「??」
「二人の邪魔になる可能性が高いので俺的には要らないんですけど、なまえさんが欲しいなら別です。どうです?」

ああもうこれは、死亡フラグです
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -