ヤンデレになりつつある山崎くん


「部長!みてください!そこで拾ってきました!」
「またキャッチャーで…も、ってややや山崎くん!?何考えてるの?!もうそれは列記とした誘拐だよ!」
「誘拐?!何言ってるんです!僕のですよ。僕の部屋のインテリアに最適じゃないですか?」

ね?と問いかけてくるこの男はだれだ。山崎くん?誰だ。わたしはなんでこの顔だけは優しい七三ヘアの男に担がれているんだ。目の前のハゲ…部長?がオロオロとしている。

「あ、あの」
「なに?おなかすいた?」
「下ろしてください」
「ん、そうだね」

ゆっくり地面に下ろされて足が地について安心する。ここは、オフィス?だろうか。学校に行く途中にいきなりこの男に連れて来られたのだ。部長さんは何度も頭を下げて私に謝ってきている。この人は悪い人ではないみたい。でも、いきなり女子高生を攫った男なんてね、

「警察に突き出「あああ!まって!お嬢さん!」いやだめでしょう!普通に犯罪ですよ!!」
「山崎くんも悪い子じゃあないんだよ!ほら、ちょっと、ここがね?!」
「部長、自分の残り少ない髪の毛指差してどうしたんです?」
「ほら山崎くん!早く返してきなさい」
「やですよ!今日はいい感じのピッチャーが居なかったんです。そしたらこの子が、ね?」

本日二度目の、ね?だ。ね?ってなんだ。

「さみしそうに蹲ってたから」
「え?」
「え?」
「蹲ってた…って、え、靴紐直してただけなんですけど!そしたら急に担がれて…!」
「え?そうなの?!捨てられたのかと思って親切に拾ってきたのに!」
「いや、もうどっからつっこめばいいの?!とりあえず学校に遅れるので帰らせてくださいよ!!」
「あ、ちょっとまってよ〜」
「山崎くんはもうここにいなさい!ね?!お嬢さん学校までお送りしましょうか?どこの高校?」
「○○高校、です。」
「○○ね、わかった。本当にごめんね」

そのあとは部長さんが車で○○高まで急いで送ってくれた。車の中でも何度もごめんね、と謝られたよでなんだか申し訳ない気持ちになる。だって部長さん何も悪くないよ!

本当に不思議な人だった。なんだったんだあの人。 変な人も世間にはいるもんだ。でももう二度と会うこともないだろう。



いつもの長い長い授業もおわって、帰宅部のわたしはよし帰ろう、と足軽に学校の門を越え、ようとした、ら、

「あ、いたいた!」
「?!!?」

あのおかしな七三男が現れた。
とりあえず学校の門をとひだして男の横をすり抜けようとしたが、案の定腕を捕まえられてしまった。ここまできたら恐怖でしかない!助けて部長さん!

「え、なんで逃げるの!?」
「なんでこの学校にいるの?!」
「迎えに来てあげただけだよ!ほら僕の家に帰ろう!」
「いやいやいやいやおかしいおかしいおかしいおかしい!!!」
「せっかく部長に仕事押し付けて早く仕事終わらせたのに!」
「部長をなんだと思ってるんだ!いやだ!警察に言うよ?!」
「はいはい、しーっ」
「しーっじゃな、んん!ぐ!」

大きな男の手のひらで口を塞がれてしまった。身長が高い男の脇に抱えられると地面と足が離れてしまって自由が効かなくない。

「お仕置きして欲しくなかったら静かに、ね」

さっきよりも低い声が聞こえて、身体が身震いした。怖い。

そうして道に停めていた車に乗せられて何処かへ連れて行かれている。携帯で警察を呼ぼうとしたら、この男に携帯を奪われてしまった。

「ねえ、名前は?」
「言わない帰して」
「強情だなぁ」


わたしはこれからどうなるのだろう。

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -