「なまえお前なんか悩み事ねえの」
「へ、唐突すぎませんか。ないですよ」
「いやいや、そんなことはない。ほら、肩こりとかあるんじゃない?」珍しく真剣な表情の霊幻さんにビシッと右肩を指さされる。そういえば肩こり治らないんだよなーと肩を揉んでみる。痛い。
「あー、確かに」と呟くと、ふっと笑った霊幻さんが「そこに悪霊がいます」と言い放った。

「え!ほ、本当ですか?!ど、どどどうすれば」まさか私に悪霊がとりつくなんて!指差された右肩を、埃を払うように叩いていた手を霊幻さんに握られた。「まあ落ち着け、なまえ」上目遣いに見つめられて少しざわつく。

「俺が除霊すればすぐに消える」
「除霊?」「ええ、なに、心配することはないです。目を閉じて」「え、え、でも」「あっれー悪霊がどんどん成長してるなー!これは早く除霊しないとなんかすごいやばいことになるなー」「ええー!」「さ、目を閉じてください」「は、はい!」流されるままに目を閉じてしまった。まあでもモブくんが師匠と呼ぶくらいの方だしちゃんと除霊してくれるだろう。この時霊幻さんがニヤニヤとしていたなんて糸知らず。

両肩に手を置かれた。始まったのかななにされるんだろう痛くないといいな。すると、何かが近づいてくる気配。そして唇に暖かく柔らかい感触。え、唇…?!

「んん!」驚いて目を開けると目の前にはどアップの霊幻さんがいた。肩に触れる腕を押し返そうとすると、霊幻さんの腕が腰に回りもう片方の手が後頭部に回されてさっきより強く唇を押し付けられる。息ができなくて口を薄く開けた瞬間に生温い舌が口の中に入り込んできて苦しい。

「っは…」「…っれ、霊幻さ…!」いきなり何するんだ、とキッと睨む。へらっと笑って唇の周りの唾液を拭う霊幻さんが厭らしい。「除霊」「絶対違います!!」




人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -