「私、花宮くんと別れたよ」

そう言って辛そうに笑うなまえに罪悪感と、少しの嬉しさを感じた。「そうか」というと「花宮くんね、怒らなかったよ。笑ってくれた。古橋くん、わたし、」と言って泣き出したなまえ。優しく抱きしめると、細い腕が背中に回ってきて抱きしめ返してくれた。「幸せになるって約束したよ」と、泣きながら言うなまえに「必ず、幸せにしよう」と言ってキスをした。



後日、花宮を駅で見つけた。俺を見て止まった花宮に駆け寄ると、舌打ちをして睨まれた。花宮に「すまない」と頭を下げると「謝んじゃねーよ惨めになんだろーが!」と頭を叩かれた。

「なまえが選んだんだから仕方ねえだろ。ただ、俺はまだ好きだ。てめぇ覚悟しとけよ…なんて、言うわけねぇだろバァカ!いっぺん死ね」

そう言って、ばしん、と俺の肩を殴った花宮はため息を吐いて「じゃあな」と小さく呟いて踵を返した。「、ああ」と返すので精一杯だった。心配しなくても、なまえのことは俺が守る。泣かせたりしない。

小さくなっていく花宮の背中を見送って、「古橋くん」と言って笑う君を早く抱きしめに行こう。



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