また明日/エレン
「うっわぁ…」
下駄箱の外は、ものすごい量の雨が降っていた
いつも通り学校を出ていれば
学校から徒歩7分の所にある家に付いてから
雨が降り始めていただろうに…
濡れながら帰ろうとため息をついて
靴をはきかえていると後ろから声をかけられた
「なんだマリン、傘無いのか?」
「エレン。やっぱ今日は陸上部なし?」
「あぁ、雨だからなぁ」
そう言いながら靴を履き替えている彼は
私と同じ高校2年生で1年のときからクラスが同じのエレン。
彼は陸上部に所属している。
「折り畳みしか持ってないけど・・・一緒に帰るか?」
少し視線を反らしながらエレンが言う
そう、彼はいつもすごく優しいのだ!!
「えっ?いいの?」
「まぁ、半分濡れても良いなら・・・」
「ありがとー」
普通の傘より小さい折り畳み傘は
二人の体を半分ずつ雨に濡らしていた
「マリンはまたリヴァイ先生に掃除の事言われてたのか?」
「そうだよ。今日の先生いつもより話長かった・・・」
「またコニーとサシャのせいだろ?大変だよなマリンは、美化委員だからって掃除係の代わりに叱られるんだもんな・・・」
「まぁ、もう慣れたよ」
ため息を混じりにそう言って微笑んでエレンを見ると
エレンと目があった
「あ、あのさマリン。やっぱこの傘明日まで貸すよ」
「えっ?駄目だよ、エレンの方が家遠いいんだから」
「でも、お前…その…」
言いづらそうにチラチラ見られたので
自分の体を見てみると
「あっ////」
制服のYシャツから雨水で下着が少し透けていた
「だから、傘…」
「も、もう家着いたから大丈夫!!傘いれてくれてありがとねエレンっ!!」
話をしていたらいつの間にか私の家の前に着いていたので
家の屋根まで走っていく
「マリン!!」
「ん?」
「また明日!!」
顔を赤らめたまま言う彼にドキッとしてしまった
「うん、また明日っ」
ドキドキしたまま家に入った
ドキドキしたまま窓から彼を見送った
「また・・・明日・・・」
小さくなっていく背中に
そっとつぶやいた
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