「・・・・!?」















いつまでたっても、覚悟した痛みを感じなかったので
恐る恐る目を開くと









自分は屋根の上に寝かされていた





目の前には、


巨人が煙をあげて消滅していくのが見えた













「大丈夫か?」






急に斜め上から声がしたので
ビクッと肩を揺らしてから
ゆっくりと顔を上げた



「・・・リ・・・・ヴァイ兵長!?」


「・・・・・」






自分は助かったのか







そう思うと全身か震え、
止まっていた涙が再び溢れ始めた











「・・・ありっ・・・・がとう・・・・ございますっ・・・ありがとうございますっ」









泣きながらそう言うと
少し強引に右腕を引かれ、立たされた











「!?」











涙目のままリヴァイ兵長を見つめると
兵長はすぐに目を反らした










「あの・・・・」









捕まれたままの右腕を少し動かそうとしたら
今度は抱き寄せられた










「へ、兵長??」









「・・・・・マリン」








耳元でそうつぶやくと、
リヴァイ兵長は抱き締める腕に更に力をいれた












「・・・ずっと・・・好きだった・・・お前が調査兵団に入ってきた時からずっと・・・・」













そう耳元で言われ、
顔に熱が集まるのがわかった。












「兵長・・・・・」







そっと、体を離された












「間に合って良かった」











いつも鬼のような兵長が
優しく、温かい顔をしてそう言うもんだから








私の心臓が少し速く動き始めた







「リヴァイ兵長、本当にありがとうございました。
このご恩は必ず返させてください」









「さっきの…」







「はい?」








急にさっきの、と言われたので
さっき何かしてしまったのではないかと考えながら
兵長を見つめた







「俺がお前に対して好きだと言ったことに対しての返事。命令だ、早くしろ」












優しかったレアな兵長は消え、
いつもの鋭い目付きに戻っていた








「・・・・わ、私も、リヴァイ兵長の事が好きですっ」






急に照れ臭くなったので
うつ向きぎみに兵長を見つめると













少し驚いたような表情をしてから
ふっと笑い、近づいてきた













「決まりだな?・・・・・マリン、俺と生きろ」











「はいっ!!」









再び戦場で抱きしめられた









今度は私も、兵長の背中に手を回した


















「なら・・・・俺だけに守られて、俺だけの側にいろ、わかったな?」






いつもより優しく、恥ずかしそうに言う貴方に
笑顔で答えた







「はいっ!!!」














きっとこれからも、

危険な仕事をすることになる。

でも、貴方に助けられたから・・・・

そして、貴方とずっと一緒にいたいと思ったから

だから私は、何があっても生きる

この残酷で、だけど美しい世界を




貴方と共に

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