「兵長・・・あの・・・・」
「エレン、チェックは後だ。」
「へ?」
「ペトラと話している奴は確かお前の同期だったな。奴について知っていることを話せ」
一度出た部屋に戻る
本当は彼女本人に直接話しかけたいが、
心臓の音が身体中に響いて邪魔をする・・・・
「えっ??マリンが何か失礼な事でも・・・?」
そうか、彼女はマリンと言うのか
「いや、俺の班に推薦しようと思ってな・・・」
「本当ですか!?マリンは立体起動装置の使い方が上手いんです!!でも訓練のときは優しい性格だからか、他の奴が目立つように控えめにやってて・・・・」
少し興奮ぎみに話すエレンを見ればわかる
彼女の事を狙っているのは俺だけじゃねぇ。
エレンがこうなんだ・・・きっと探せば同期の中にもっと居るだろう・・・
多少のイラつきと同時に、
彼女を少しでも知れたことに喜びを覚えた
立体起動装置の使い方が上手い・・・
確かに、俺が初めて彼女を見たとき、誰よりも速く動いているのに
飛んでいる姿は誰よりも美しかった・・・
それを見て惚れてしまったんだからな・・・・
他にも、掃除や料理が得意らしい
「・・・兵長聞いてますか?」
「・・・エレンお前、マリンに惚れているな?」
「えっ?そ、そういう訳じゃないですよっ」
顔を真っ赤にしながらあきらかに動揺するエレンを見て
自然と眉間にシワが寄る
「そうか。じゃあ俺が貰う」
「え?」
「・・・・掃除チェックしにいくぞ」
こう言えば誰も邪魔はしないだろう・・・
人類最強の兵士長という立場を使えば誰も逆らえない
そんなやり方は卑怯だとはわかっているが、
俺にはあまり余裕がないらしい・・・
扉を開けると丁度ペトラと話終わったマリンが通りかかった所だった
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