「そっ、れは、嫌だっ!」
「えっ?」
とっさに宮内の腕を掴んで自分の元へ引き寄せた
心臓が半端ないくらいのスピードでドキドキしているが、今はそれどころじゃない
「俺は、本当に宮内の事が好きなんだ......でも、その、こういう、好きな子ができるとか、告白するとか......彼女ができるとか初めてだし、その、俺女子と話したりするの苦手だし、どうしたら良いのかわかんなくて.....その、悪いな...ちゃんと恋人らしいことできなくて......でも俺、宮内と別れたくないんだ......」
ゆっくり、つっかえながらも伝えると、
俺のシャツの胸元をギュッと小さな手で握る宮内が可愛くて、心拍数がさらに上がる
「こんなにドキドキしながら一生懸命想いを伝えてくれる人と、別れられるわけないじゃないですか」
「へっ?」
宮内の言葉に思わず赤面してしまう
いや、最初から赤かったは赤かったが、さらに顔に熱が集まってくる
「私、先輩となら、ゆっくりでも良いです」
「ほ、ホントか?」
「私も、自分から先輩に話しかけられるようになりたいし」
涙目だけど、可愛い笑顔で見上げられる
力強く抱きしめれば、全身から伝わってくる女子特有の柔らかさに、さらに胸が高まる
俺の初恋がくれたのは、
苦しくて悲しい結果じゃなく、
さらに好きになってしまうような、幸せな言葉
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