「ていうか宮内っちと笠松先輩ってどこまで行ったんスか〜?」
空気の読めない黄瀬がとても言いづらい事を聞いてくる
「えぇっと.....」
困った表情の宮内が俺の方をチラリと見てくる
不意に重なった視線にドキッとしてしまって、思わず視線を逸らした俺
「お前には関係ないだろ」
やってしまったと思いつつ、黄瀬に早くどっかに行って欲しくて冷たくする
「....もぉ〜。笠松先輩、マリンっちと何も進展無かったら俺貰っちゃうっスからね〜」
おどけたように、でも真剣な表情で言った黄瀬に焦りつつ、望んではいたけど再び気まずい『2人っきり』にも焦り出す俺
「......笠松先輩」
「っ!なっ、なんだっ?」
沈黙を破るように、真剣な表情をした宮内が口を開いた
「先輩は私の事、本当に好きなんですか?」
「えっ?」
「....本当は先輩の事、黄瀬君の部活のキャプテンって事くらいしか知らなかったんです。でも、あまりに一生懸命に想いを伝えてくださったから、お付き合いしたいなって思って返事したんですけど.......でも私と2人で居るときの先輩は楽しくなさそうで、私......」
泣きそうな表情をして黙りこんでしまった彼女に、どうしたら良いのか本当にわからなくなって、何て言うのがベストなのかわからなくて黙ってしまっていると、
再び宮内が口を開いた
「先輩.....別れませんか.......?」
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