緑間視点





今日はいつも以上に先輩や同級生等、バスケ部の態度が冷たい






あまり目を合わせてはくれないし、話しかけてもどこかそっけない





マネージャーをやっている宮内に聞いても「知らない」としか返ってこない






他の人に冷たくされるより、お前に冷たくされることは何より悲しいのだよ.....宮内。






「おかしいな、今日のおは朝占いでは堂々の一位だったのだが.......」







放課後の部活が終わり、今日のラッキーアイテムを片手に、ため息を吐きながら部室の扉を開ける






パパンッパンパンッ






「!!」






「「「「「はっぴーばーすでい、緑間(君、真ちゃん)!!!!」」」」」







目の前にあるのは、少し装飾のされた部室と、真ん中のテーブルの上に置かれたバースデーケーキ、そしてクラッカーを持った大坪さんに木村さん、宮地さんに高尾、そして宮内








「このケーキは木村先輩と宮地先輩と高尾君が用意してくれて、部屋の装飾とかは大坪先輩がやってくれたの!そしてこれは私から!!」




「っ!!」





可愛らしくラッピングされていたそれを受け取ると、





「ごめんね、緑間君って何が好きなのかよくわかんなかったから、つまらない物ですが、良ければ使ってくださいな」




少し眉を下げて微笑む彼女にドキッとしながら中を見ると、







俺の左手用のテーピングと有名なブランドの店の眼鏡拭きと眼鏡ケースが入っていた





「あ、あり、ありがとうなのだよ.....」



「ハハッ、真ちゃん照れてやーんの!」



「オラ!せっかく木村んとこのイチゴ使って俺らがケーキ作ったんだ、食うぞ!」



「宮地がまさかケーキ作れたとはな」



「あぁ、俺なんか部屋の飾りつけもまともにできなかったのに」



「えー!でも大坪先輩がお花作ってるとこ、可愛かったですよー!」



「マリンちゃん、大坪さんに可愛いってwwww」








普段わがままばかり言っていて、



先輩からしたら生意気な後輩なはずなのに、



同級生からしたら変な奴のはずなのに、





家族以外にこうやって祝ってもらえた事が初めてで、




胸が温かくなる





「あーれれ、真ちゃん感動しちった?w」




「緑間君、感動するのはケーキ食べてからだよ!」






「あぁ、」






自分でも驚くくらいに頬が緩む







俺はこの高校に入って、この人達と出会えて、共にバスケができて幸せです






言葉にするのは難しいので、今日くらいは素直になろう





















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