「………青峰君、もしかして今日の事、マリン先輩に教えたこと無いんじゃない?」






間に入ってきてくれた桃井ちゃんの言葉に、ハッっと気がつく青峰





「そういや、教えてねぇ……………」



「ははっ!まさかなーんも教えてないのに誕生日祝ってもらおうなんて青峰、意外とおっちょこちょいやな!」



「チッ、うるせぇ!」



「「誕生日??」」






今吉先輩の言葉に、若松と一緒になって驚くと
めんどくさそうに、だけどどこか照れくさそうにする青峰の表情は
年相応の少年に見えた







「なんだ、早く行ってくれれば良かったのにー!16歳おめでとう!」



「うるせぇな、もう知ってると思ってて教えるの忘れてたんだよ」



「それでしかもマリンちゃんに一番に祝って欲しかったんやろ?可愛いとこあるな自分」



「ほっとけ」



「はいはい、今吉先輩も青峰いじるのそんくらいにしてくださいね。青峰!誕生日くらい練習しなさい!」



「はぁ?んだよそれ!普通練習じゃなくてどっか連れてってくれっとか」



「いつも練習出てないんだから!今日くらいちゃんとやってきなさい!終わったらマジバでも何でも付き合ってあげるわよ!」



「………本当だな?」



「えっ………」




何とか練習に出させる事を考えて色々言うと、急に青峰の目が、
試合中の野生動物のような鋭いものになっていた





「練習出たら、何でも付き合ってくれんだろ?じゃあ俺、練習出るから」



「えっ、ちょ!待って!」



「どんまいマリンちゃん」






アップをするのか、走り出してしまった青峰の背中を見送りつつ、
何も助けようとしてくれない今吉先輩の腕を叩いた






まぁ誕生日くらい、楽しませてあげようか!と、
のん気に考えていた私は





この後痛い目に遭うなんて思いもしなかった














青峰HAPPY BIRTHDAY!!!



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