「あれっ!珍しい!練習来たんだー!」
夏休みでも部活はあるので
学校がある時より遅く体育館に行くと
珍しく青峰が来ていた
「あ?来ちゃわりぃかよ……てかその前に何か言うことあんだろ」
いつも通りの若松をキレさせる様な口調ではあるが、
少し様子がおかしい
心なしかソワソワしているように見える
練習来たんだー!の前に言うこと?
あ、もしかして挨拶か!青峰も朝の挨拶とか気にするんだな〜って思いつつ、軽く右手を上げて口を開く
「そうだったそうだった、先輩なのにごめんね。おはよう青峰」
「………あ?何で今更挨拶し直すんだよ」
私の考えは間違いだったのか、急に不機嫌になる青峰
助けを求めて体育館内を見回すが、
目を細めて笑っている(通常通りの)今吉さんと、青峰をガン見しながら見るからにキレてる若松、そんな若松を見て怯えてる桜井、そして少し遠くから様子をうかがってきている桃井ちゃん………
おかしいな、唯一まともで頼りがいがある人が居ない
「………もしかしてアンタ覚えてないのか?」
「へっ?何を??私何かした???」
「ちげーよ!そーいう事じゃねぇよ!!んじゃなくて今日!!!」
何だかいつもよりしつこいしキレてるし、だけど何かを期待するような目で見られてるし………
「あの………」
どうしたもんかと1人青峰と向き合っていると、桜井が怯えながら近寄ってきた
「桜井!わかるの!?」
「チッ、良テメェマリンが思い出すまで言うんじゃねぇぞ」
「ひぃっ!すいません!宮内先輩が思い出すまで何も言いませんすいません!」
「まぁまぁ、もうええんやないか?部活始まってまうで〜」
のんきな今吉さんの言葉を聞いて体育館を再度見回すと、諏佐先輩はもちろんのこと
スタメン以外の部員もすでに各自アップを始めていた
「………本当に思い出せないのかよ」
「青峰てめぇ、宮内はお前の先輩だぞ!その口の聞き方いい加減やめろ!」
「うるさいよ若松、もう良いって………ごめん青峰、正解を教えてくれないかな」
「……………………………」
頑張っても何も思い出せそうになかったので青峰に何なのか教えてもらおうとすると、
急に悲しそうな表情をされて驚く
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