沈黙怖いなーって思いながら何杯目かのカシオレに口を付ける
「今度」
「っはい!」
急に言葉をかけられて思わずビクッとすると睨まれる
「今度、お前の行きたいとこ連れてくからどこ行きたいか考えとけ」
「へっ、あ、はい」
ちょっと強引すぎる言葉に、何か裏があるのではと疑いかけたが
先輩の赤くなった頬を見て、さっきの指輪のくだりを思い出す
「ん」
テーブルの下で、皆に見えないように手を繋がれる
嫌な感じなんてしなくて、優しいその温もりに応えるように握り返す
「今度会うときに、ちゃんと言うから」
「はい」
何をとは言えない雰囲気で、
何となくアレかもしれない、いやアレだと良いなぁと思いながら
先輩の温もりに、今更ながら恋をした
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