「今日は久しぶりの再会という事もあって、先輩後輩気にせず飲もう、乾杯!」




「「「「「かんぱーい!」」」」」




大坪先輩の掛け声と共に、それぞれグラスやジョッキをかかげる。



「マリンせんぱーい、お久しぶりでっす!」


「高尾ー!相変わらず元気そうだね〜」


「あざす!マリン先輩も相変わらず可愛いっすね!」


「ほめても奢らないぞ〜」


隣に座ってきた高尾と話していると、目の前に緑間が座る。


1人硝子のお猪口を持つ姿はおじいちゃんくさいが、逆の手に持つメダカらしき魚のぬいぐるみを持っているのを見ると、この子も相変わらずだなぁと、懐かしさにニヤケてしまう。



「何ニヤニヤしてんだてめぇは」


「あっ!宮地先輩!」


「あっ!って何だあって」


「んむっ!」


高尾と反対側に急に座ってきた宮地先輩にビックリすると、先輩の大きな右手で顔を掴まれる。



「あれ、先輩こういうのするんですね!なんか意外です」


引き剥がした先輩の中指に、男性が好みそうな指輪をしていたので触ると、案外すんなり取れてしまった。



「意外って、しちゃわりーかよ。っておい、勝手につけんな」


「いや、アクセサリーとか苦手そうだなって思ってたんで…。でもこのデザイン、何か宮地先輩に似合ってますね!あっ、」


先輩の手、やっぱおっきいんだなーって思いながら自分の指に先輩の指輪を入れたり外したりをしていたら、先輩にとられてしまった。



そろそろまた怒られる!と思いきや、先輩は私の左手を持ち、ジーッと見つめてくる


「な、何ですか??」


真顔でガン見されてるのが少し怖くて、焦りながら聞くと、


お酒のせいか、少し頬を赤くした先輩が照れたように


「……結婚する?」


と良いながら、先輩の大きな指輪を私の薬指に通した。



「えっ!あ、へっ??」



「な、なんでもねぇ!」



オロオロしていると、パッと指輪を私の指から外し、自分の指に戻して木村先輩の元へ行ってしまった。



「…………」



「…くぅ〜!甘い空気排出しやがって!いいんすか宮地さん!そのまま何もしないなら俺、マリン先輩もらっちゃいますよ!」



しばらく呆然としていると、隣で静かだった高尾が私を抱き寄せながら宮地先輩に叫んだ。


「え、ちょ、高尾!」


「んー!マリン先輩良いにおーい」


「くっそ、おい高尾!宮内から離れろ!!」


「マリン先輩柔らかい…食べちゃいたいくらい可愛いし」


「えっ、やわらか…それ多分肉だと…」


「高尾てめぇ、殺す!!」


「ぎゃー!いだだだだだ!宮地さん、それまじやばい、頭割れる!割れる!!!」


「みみみみ宮地先輩高尾を離してあげて下さい!ちょっと緑間1人でのんきにお酒飲んでないで!」



「俺のシュートは落ちないのだよ」



「「「………は?」」」



「人事を尽くした者こそg………くかーっ」





いつも通りムカつくくらい落ち着いた顔してると思ったらおいっきり酔ってたみたいですこの子。






まさか過ぎて思わず宮地先輩も高尾を離す





「ちょ、えっ?マジ??真ちゃーん寝ちゃったの〜?w」




高尾が爆笑しながら緑間の元に向かい、また宮地先輩と2人になってしまった




隣から視線を感じつつ、特に何もすることの無い手は自然とアルコールの入ったグラスに移動する







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