3






魔が差したとはこういう事だろう


エンドロールが終わった画面をリモコンで消して
暗くなった部屋で俺も横になる



ごめん、俺もいつの間にか寝ちゃったみたい



そう言えば宮内は納得してくれるだろうと
都合の良い言い訳を考えながら


起きた時宮内どんな反応するかなと
数時間後の想像をしながら


そっと宮内の身体に腕を回すと
無意識になのかすり寄ってきてくれて心臓ら辺が苦しい


すっげぇ悪い事してる気分


いや、本人の許可なしに添い寝というか
抱きしめて寝てる時点で悪いんだけど、、、


不意に視線を宮内の頭の後ろに向けたら
枕元に置かれていたうさぎのぬいぐるみと目が合う



「見んなよ、、、」



まるで監視されてるような気がして
そいつをそっと持ち上げて反対側を向かす


でも俺があげた物をこうして置いてくれてる事にちょっと優越感


宮内の身体に再び腕を乗せても起きる気配は無くて


少し残念な気持ちと罪悪感が混ざって変な気分



「ダメだよ宮内、男と2人の時に寝たら」



そう呟いてそっと頭を撫でるとふんわり笑ってくれた


可愛い


付き合ったら毎日こう過ごせるのかな



「いたどりくん?」


「っ!?」


「、、、、」


「ずるいって、、、」



名前を呼ばれたから起きたかと思ったのに


小さな寝息が聞こえてきたから寝言だったみたい




何でこのタイミングで俺の名前呼ぶの?


夢に俺出てる?


俺の事どう思ってんの、、、?




理由なんかわからないし


いつからかも覚えてないけど


気づいたら目で追っちゃってたからわかるけど


伏黒も五条先生も宮内の事が好きそう
多分狗巻先輩も


誰のが先に好きになったとかどれくらい好きとか関係無いとは思ってるし
きっと告ったら宮内は優しいから
例え恋愛感情がなくてもオッケーしてくれると思う


でもそれじゃ嫌だ


俺が死んだ事になってた時寂しくならないように会いに来てくれたり
順平の事とかで俺が傷ついてた時、他の人にもしてない術式の話をしてくれたり
今だってずっと1人だった俺と一緒に居てくれたり


たまに無防備過ぎて心配になるし
俺にだけ優しいわけじゃないってわかってるけど


我が儘かもしんないけど俺は宮内に同級生としてじゃなく
男として好かれたい




宿儺が出てこないとは言えここで寝ちゃダメだって
部屋に戻らなきゃって思ってるのに


重くなる瞼には逆らえなかった







- 57 / 58 -
[ | ]



×
「#ファンタジー」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -