2 「ツナマヨ」 寮に戻ると狗巻先輩が共有スペースに居た 遠征帰りだったのか、お菓子のお土産を置いているところだった 「狗巻先輩!おかえりなさい、喉は大丈夫ですか?」 「しゃけ!」 「?ここに座るんですか?」 「めんたいこ!」 先輩に椅子を指さされそこに座ると 手で待ってのポーズをしてから 走って男子寮の方へ行ってしまったので座って待つ事にした すぐにパタパタという足音と共に狗巻先輩が戻ってきて おしゃれな紙袋を差し出される 「頂いて良いんですか?」 「しゃけ」 少し恥ずかしそうに手渡され受け取ると 可愛らしい半透明なケースにマドレーヌがラッピングされていた 「わぁ!ありがとうございます!大事に食べますね!!」 「いくら!」 箱の裏を指さされたので見ると お店のシールにまだ余裕のある賞味期限が書いてあった 「ちゃんと期限内に食べます!」 「しゃけしゃけ」 「ふふ、食べる前にほっぺが落ちちゃいます」 両手で私のほっぺを優しくむにゅむにゅと触る狗巻先輩 「こんぶ」 そっと手を離して頭を撫でられた 狗巻先輩はいつも優しく撫でてくれるので嬉しい [ ← | → ] |