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ほんの数ヶ月前に生活環境が変わってから慌ただしく時間が過ぎていき


あっという間に中学を卒業した私は


高専の入学日まで暇な日々を過ごしていた


硝子さんが出張中で手伝いも無いのでのんびり高専内を歩く


高専の寮に住むようになってもうすぐ3ヶ月になるが


広すぎて未だに知らない場所もある


以前迷子になってしまい硝子さんに見つけて貰うまで心細い思いをしたので


なるべく建物が見えない場所までは行かないようにしている



「宮内」


「伏黒君!もうお部屋の事はいいの?」



中学卒業と共に高専の寮に越してきた伏黒君は


少し前に段ボールを運んでいたとこに遭遇して以来だった



「あぁ、、、今ちょっと良いか?」


「うん!何か手伝う?」


「いや、その、、、、これ」


「ん?」



渡された小さな紙袋は薄ピンク色で少し重みがあった



「その、、、バレンタイン貰ったから」


「えっ!いいの?」



そういえば今日は3月14日だった



「中見てもいい??」


「あぁ、、、、」



中にあったのは可愛い小さな飴が沢山入った瓶だった


薔薇が彫り込まれていて瓶自体も可愛らしい



「凄く可愛い!本当に私が貰っていいの?」


「宮内に渡す為に買ってきたんだ、嫌じゃなければ貰ってくれ」


「嬉しい!食べきっても飾るね!本当にありがとう!」


「、、、あぁ、じゃあ俺これから任務あるから」


「そうなの?忙しいのにありがとう、車まで送るよ」


「いやいい、寒いし暗くなる前に寮戻れよ」


「うん、、、ありがとう。行ってらっしゃい」



見送りたかったが気を遣ってか寮に戻るように言われてしまったので


お言葉に甘えて寮に戻ることにした


3月なのにまだまだ陽が落ち始めると肌寒い






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