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「千葉県から来ました、宮内マリンです。よろしくお願いします」



中学生活もあと数ヶ月で終わるという時期に


私は伏黒君と同じ浦見東中学校に編入した


絶対もう卒業までの思い出作りに専念する時期だし


今更友達作りなんて出来るわけないけど


数ヶ月の辛抱だと自分に言い聞かせながら


着慣れない白いブレザーを着て教壇で挨拶をした



「宮内さんの席は一番後ろねー、見えなかったら言うんだよ!」


「は、はい」



優しそうな女性の担任の先生が指差す席に座ると


前に座っていた男の子が振り返ってきた



「大丈夫?俺邪魔じゃない??」


「大丈夫だよ、ありがとう」


「よかった!いつでも席変わるから言ってね!」


「うん!」



私の席だけ後ろに飛び出る形になっていたので


隣に人が居ない分話しかけて貰えてよかった



「ねーねーマリンちゃんって何で今更転校してきたのー?」


「あの、家庭の事情、、、的な理由で、、、」


「そうなんだ!大変だねもうすぐ中学終わるのに」


「割とすぐ期末あるし、落ち着けないよね」


「うん、テスト大丈夫かなぁ、、、」



休み時間になった途端


クラスの女の子達が話しかけに来てくれたが


いまいち上手く返事が出来なくて、不安になる



「おーいあんま質問攻めは可哀想だろ」


「小松もさっき振り返って話してたじゃん!」


「俺は前見えるか聞いただけ!」


「マリンちゃん、こいつ優しい振りしてるけど騙されないでね!」


「おい!何だよそれ!」


「宮内」



前の席の男の子と女の子達が言い合いを始めてしまったので


どうしようか悩んでいたら伏黒君がやってきた






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