3 任務後スプレーや薬で喉の痛みが緩和されない時は いつも通り医務室に向かう その度に今日は居るだろうか、いつ会えるだろうかと心を躍らせ 遠征したら口実を作れるようにお土産を買って渡した なるべく共有スペースに居るようにしても 埼玉の中学校に車で送り迎えされるマリンと 高専に通い、任務に行く俺とではタイミングが合わないのか 学生寮ではなかなか顔を見れなくて その分会えた時笑顔で話してくれる彼女に 嬉しそうにお土産を受け取ってくれる彼女に たまに少し不安そうに手作りのお菓子を渡してくれる彼女に いつの間にか兄妹に対する感情ではなく、これは恋なんだと自覚していった でも誰にでも優しい姿を見て 悟が優しく話すのを見て 恵が気にかけているのを知って 憂太に撫でられるのを見て 自覚するには遅かったかもしれないと不安になった そしてマリンが自分の術式の新たな能力に気づき少し遠い存在に感じてしまう それでもどんどん気持ちは溢れそうになって行って どうしたいのかも決めきれない自分の気持を 傍にある花に託した [ ← | → ] |