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出会って一月も経たない頃


任務に行く為駐車場へ向かうとマリンが居た


補助監督の新田さんは俺を送ってから学校に送るらしい


朝から会えて静かに喜んでいると


隣に座ったマリンが何かを取り出した


「あの、狗巻先輩」


「?」


「これ、いつもお世話になっているお礼とバレンタインです」


「!!」



ラッピングのされた小さな袋を手渡された



「あの、手作りとか大丈夫でした?既製品もあるので気にせずに言ってくださいね」


「すじこ、高菜、めんたいこ!」



今日が何の日か全く覚えていなかったし


家柄こういった行事では家族から貰う事も無かったので


まさか自分がバレンタインを貰えると思っていなかった


小さな袋をそっとポケットに仕舞う


任務が終わったら部屋でゆっくり食べよう



「しゃけしゃけ〜」


「2人は仲良しっすね〜」


「狗巻先輩が優しくしてくれるんです」



そっと頭を撫でればマリンも嬉しそうにしてくれるし


新田さんからも仲良く見えるようで今日はとてもいい日だ


任務地に着いてしまったので1人車を降りて扉を閉めると


中から笑顔で手を振ってくれるマリンの姿に癒やされながら


俺も手を振り返した






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