2 出会って一月も経たない頃 任務に行く為駐車場へ向かうとマリンが居た 補助監督の新田さんは俺を送ってから学校に送るらしい 朝から会えて静かに喜んでいると 隣に座ったマリンが何かを取り出した 「あの、狗巻先輩」 「?」 「これ、いつもお世話になっているお礼とバレンタインです」 「!!」 ラッピングのされた小さな袋を手渡された 「あの、手作りとか大丈夫でした?既製品もあるので気にせずに言ってくださいね」 「すじこ、高菜、めんたいこ!」 今日が何の日か全く覚えていなかったし 家柄こういった行事では家族から貰う事も無かったので まさか自分がバレンタインを貰えると思っていなかった 小さな袋をそっとポケットに仕舞う 任務が終わったら部屋でゆっくり食べよう 「しゃけしゃけ〜」 「2人は仲良しっすね〜」 「狗巻先輩が優しくしてくれるんです」 そっと頭を撫でればマリンも嬉しそうにしてくれるし 新田さんからも仲良く見えるようで今日はとてもいい日だ 任務地に着いてしまったので1人車を降りて扉を閉めると 中から笑顔で手を振ってくれるマリンの姿に癒やされながら 俺も手を振り返した [ ← | → ] |