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「玉犬!!!」



その方向を呪霊が向こうとした隙に玉犬黒と白を呪霊に向かわせた


力なく喰われていく奴を尻目に


物を投げてきた人物の方を向く


うっすらとした月明かりに照らされ見えたのはここの生徒と思わしき女子



「、、、アンタ何でこんなとこに、つーか視えてんのか」


「あっ、えっと、友達の忘れ物を取りに来たら出られなくなってしまってそれで、、、」



一応命の恩人なので、その友達は何処なんだよという言葉は飲み込みお人好しそうな女子に近づくと


はっきり見えた顔に心臓がドクリと大きく脈打つ



「あの、血が、、、」


「、、、かすり傷だ」


「ちょっと、失礼します」


「っ何を!?、、、!!」



向こうも俺の顔が見えたのかこめかみを通り首元まで流れる血を指摘される


あまり周りに居なかったタイプの女子に顔を覗き込まれ思わず顔を逸らすと


俺の頭に手を伸ばされた



「オマエ、、、反転術式が使えるのか!?」



ほんのりと温かい炎のようなモノが見え


心地良い呪力を感じると痛みが引いていった



「は、反転術式?、、、あの、この事は誰にも話さないように言われているので、、、」


「治せることをか?」


「はい、化け物が視えることも、治せることも亡くなった祖母に人には話すなって、、、」



呪術を使える事を敢えて隠している術師は居るには居る


だが様子を見るに、非術師の家庭に産まれ他人とは違う異様な能力を恥ずモノと思い隠そうとしているそれだろう





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