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2月中旬


期末試験の勉強の気分転換に自室でお菓子を作る


高専関係の方々に出会ってからのお礼をしたかったので


バレンタインデーという今まで無縁だったイベントを利用しようと思ったのだ


3月末に伏黒君が学生寮にやってくるまで彼には学校でしか会えないので


先に先生方や補助監督の方々に配りに行く


半透明な袋にラッピングしたブラウニーと個包装の既製品を詰め合わせた物を


高専の教員室に置いておこうと扉を開くと


珍しく五条先生しか居なかった



「おはようございます」


「おっはよーマリン!どうしたの?」


「先生達にいつものお礼も兼ねて、バレンタインです」


「えー!手作りだ?」


「手作りと、手作りが苦手な人用に既製品です」


「気が利くね〜、でも僕は両方貰うね♪」



日下部先生や夜蛾学長や硝子さん達も受け取ってくれるかなと少しドキドキしながら書き置きを近くに置く


五条先生を見るともう手作りの方は食べ終わっていた



「マリンブラウニー作れるんだ、他の奴に食べさせたくないなぁ」


「お口に合ったなら嬉しいです。既製品のを多目に用意したのでもし良ければ好きなだけ食べて下さいね」


「やった!ありがと。学校気をつけて行ってらっしゃい」


「はい、行ってきます」



お菓子を持っていない方の手で頭を撫でられ見送られる


高専を出てすぐの道路に止まっている車の前に新田さんが立っていた





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