1 夕方 高専から一番近い映画館へ行くと 学校帰りの学生や仕事帰りの大人達で少しだけ混んでいた 野薔薇ちゃんに教えて貰った言葉を頭の中で復唱しながら 伏黒君と共にチケット売り場のカウンターへ向かう カウンターに現在上映中作品の一覧が貼られていたので それを指さしながら店員さんに声を掛ける 「あのっ、この映画の18時半からの席って空いてますか?」 「はい、空いてますよ〜中央の観えやすい席ございますのでそちらで二枚お取りしますか?」 「はい!お願いします!」 笑顔で対応してくれる店員さんに釣られ安心したのも相まって私も笑顔になる 隣の伏黒君を見上げると良かったなって伏黒君も笑ってくれた 「学生さん2枚で2400円です」 お姉さんが話してる途中で3000円がキャッシュトレーに乗せられた 「あっ、だめだよ私払うの!」 「いいから、それでお願いします」 「はーい、600円のお渡しとこちらチケットになります。上映の10分前にアナウンスが流れますのでその後スクリーン入口スタッフまでお願いします。」 「はい。ほら先輩達も買うからあっち行くぞ」 そう言って私の手を引く伏黒君 後ろで並びながら見守ってくれてた先輩達と野薔薇ちゃんもチケットを買う為に店員さんと話をし始める 「伏黒君のも私出すの!」 「いいよ、俺も気になってたし」 「じゃあせめて私の分は返させて?」 「、、、、、今度また何か観る時宮内が払ってくれ」 「うん、じゃあまた映画一緒に来てね?」 「わかった」 「おい、飲みもん買い行くぞ。割と時間ねぇから」 「やっぱ東京の映画館は広くて綺麗ね」 「ツナツナ」 皆慣れているのかスムーズにチケットを購入したらしく 売店の隣のフードカウンターへ皆で並ぶ 「パンダ先輩も来れたら良かったんですけどね、、、」 「着ぐるみって事にしても目立つし捕まりそうだからな」 「不便ね」 今頃1人ぼっちなのかなと少し寂しそうなパンダ先輩を想像していると フードの購入列が進んで私の番になった 私がちゃんと買えるか見に来てくれたのか 伏黒君が隣にいる [ ← | → ] |