依依恋恋 | ナノ





先輩達との特訓が終わりその場で解散となった


暇になったら一緒に映画鑑賞しない?と虎杖君から連絡が来ていたので


きっと1人で寂しいだろうから虎杖君の元へ向かおうとしたら


伏黒君に声をかけられてしまった



「どっか行くのか?」


「あああの、映画鑑賞に、、、」


「1人でか?」


「う、うん」


「なら俺も行く」


「だ、だめなの!」


「1人で観るんだろ?」


「あのっ、、、」


「もう暗くなるし危ないから送る、、、それもダメか?」



心配してくれている優しい伏黒君に嘘をついているのが辛い


もう少し上手に嘘がつけたら良かったのに、、、


せめて1人じゃないとだけ訂正しよう



「ごめんなさい伏黒君。1人でじゃないの、でもいつかちゃんと説明するから、、、」



懇願するように見上げるとグッっと何か我慢するような顔をした伏黒君が


私から目を逸らしてしまった



「わかった」


「うん、ありがとう」



きっと私の受け答えは怪しかっただろうし


問い詰められても仕方がなかったのにそうしない伏黒君は優しい


虎杖君の元に早く向かおうとすると手首を掴まれたので振り返る



「やっぱ送る」


「あの、1人で行かなきゃなの、、、すぐ近くだから大丈夫だよ」


「そうか」


「うん、ありがとう伏黒君」



伏黒君は手を離してくれたが


何だかとっても悪い事をしたみたいで気分が落ち込む


嘘をつき続けるのは辛い


早く皆に虎杖君の事を伝えられる日になって欲しいな





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