依依恋恋 | ナノ




交流会の練習前に早朝から真希さん達と任務になった為


パンダ先輩と狗巻先輩に挟まれながら車で移動する


パンダ先輩は外ではぬいぐるみや着ぐるみのふりをしているらしい



「マリンは硝子さんみたいに医大行くのか?」

 

助手席に座った真希さんがこちらを振り返りながら訪ねてくる



「いえ、まだ何も考えてなくて、、、」


「そうか」


「まぁまだ1年だしなー」


「しゃけ」


「多分硝子さんみたいに外科的な知識があった方がもっと皆さんの役に立てると思うんですけど、手術のその、、、光景が苦手で、、、」



傷を治すのに見ざるをえない状況が多いが


皮膚が抉れて見える脂肪や筋肉、臓器等を見るのがどうしても苦手で


虎杖君の解剖は頑張って見届けようと思ってあの場に居たが


知り合いなら尚更そんな状態になっているのは見ていられなかっただろうし


不謹慎だが生き返ってくれて本当に良かったと思う



「まぁな、呪霊は人間と違って無遠慮に攻撃してくるからその分グロいよな」



何かを思い返すように真希さんが答える


きっと前線で戦う真希さん達はもっと酷い状況を目にしたことがあるのかもしれない



「まぁ無理に医者にならなくてもいいんじゃないか、今のままでも充分心強いんだし」


「しゃけしゃけ」



真希さんもパンダ先輩も狗巻先輩も優しい


いつも甘やかしてくれるので何だかダメになってしまいそう


治療以外にも何か出来ることがあればもっと自信を持てるかもしれないが


今のところ治療以外に何も出来ないので未だに悩んでいる



「着いたっす!窓の情報によると下級呪霊の溜まり場になってるらしいんすけど、2級呪霊が潜んでいる可能性もあるんで気をつけて下さいっす!」



新田さんの車を降りると廃団地のような場所だった





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