依依恋恋 | ナノ



「おい、おい宮内」



聞き慣れない低い声で意識が覚醒する


いつの間にか寝てしまっていたらしい


車の外はすっかり明るくて自然が溢れている場所に止まっていた


、、、ん?車?



「あっ、ごめんなさい!肩重かったですよね、、、」


「別に。つーかタメなんだから敬語やめろ」


「あ、、うん、ありがとう」



伏黒君の肩に頭を預けて眠っていたらしく


謝ると彼はそれは気にしていないようで


話し方について指摘された


車を降りて木に囲まれた階段を登っていくと


一番上の開けた場所にある門のような所に


白髪で黒い服に黒いアイマスクのような目隠しをした


背の高い男性が立っていた



「随分と可愛い女の子連れてきたねぇ〜恵。誘拐?」


「んなわけねーだろ、電話で話た宮内ですよ」


「冗談だって、すーぐキレて怖いねぇ」



男性は目元が隠れているのに
ちゃんと私に顔を向けて話しかけてきた



「は、はい」


「この人は五条悟つって呪術界で特級、、、強い階級にいる人だ」


「宮内マリンです。よろしくお願いします」


「事情は色々恵から聞いてるよ〜。とりあえず中学校は残り数ヶ月恵と同じところに通って貰うからね。このまま呪術師になるなら今までの生活とだいぶ変わるよ、最悪死ぬことになるかもしれない」


「そんな脅さないであげてください」


「珍しく過保護だねぇ恵。最悪の場合の話をしておかないと、その時になって後悔させるのも可哀想でしょ」


「、、、私おばあちゃんに言われた通り、視えてるのも治せるのも、誰にも話さず視えないふりして生きてきました。今まで言いつけを守らなきゃって都合良く言い訳にして、何も上手くいかないのもしかたないって諦めてたんです」



突然私が話始めたのに、2人は黙って聞いてくれている



「でも命懸けで戦ってる伏黒君に出会って、自分だけじゃないんだって知って、私にはまだ知らない事、視えてない世界があるんだって知りました。
もうおばあちゃんを言い訳に使いたくない、誰かの力になれるなら、私に出来ることがあるならしたい、私が私の人生を歩んで良いんだって自分で自信が持てるようになりたいんです。だから、呪術師になりたいです」


「うん、ただ可愛いだけじゃないんだね」


「、、、自己肯定か、生きていく上でこれ以上に大事な事もないだろう」


「「!!」」



突然聞こえた低い声の方を見ると


サングラスをかけた男性が立っていた





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