依依恋恋 | ナノ



「宿儺の指の回収は簡単な任務だから2人で行ってきてね〜」



そう五条先生に言われたのが数時間前の話


隣でそれを聞いていた伏黒君がまたか、、、とつぶやいたので話を聞くと
私と初めて会った時もその宿儺の指という呪物を回収しに来ていたらしい


伏黒君と移動して仙台に着いたのは夜だった



「指って学校に保管してある物なの?」


「保管というより強い呪物を置くことで他の呪いを寄せ付けない魔除けに使うんだ。宮内の中学はちゃんと校内の生徒が立ち入らない場所に保管されていたが、この学校は百葉箱に、、、」



夜の学校に入って目的の場所、百葉箱を前にして伏黒君が黙ってしまった


伏黒君の横から暗い百葉箱の中を覗く



「あれ、何も無い、、、?」


「、、、緊急事態だ、五条先生に連絡する」



不機嫌そうにスマホを取り出して耳に当てる伏黒君



「ないですよ」


「、、、百葉箱空っぽです」


「、、、ぶん殴りますよ」


「チッ」



伏黒君のスマホから愉快そうな声が聞こえたと思ったら
案の定先程より機嫌の悪そうな伏黒君



「、、、五条先生何だって?」


「見つけるまで帰ってくるなって」


「えっ、、、誰か持ってっちゃったのかな」


「百葉箱何て馬鹿げたところに保管されてたからあり得る。報告書類を見た感じ年内には確認されてるから無くなったのは最近だろ」


「生徒さんかな?」


「だろうな、明日生徒に残穢が残ってる奴が居ないか確認するぞ。封印されてるとは言え特級呪物だからな」


「えっ?日中学校に入るの?」


「男子は上着脱げば大体制服同じだからな。宮内には校舎の外で待機して欲しい。生徒じゃない可能性もあるからな」


「うん」



きっとこれは緊急事態だろうに
やはり現場慣れしているのか伏黒君の対応力が凄くて自分が情けなくなる





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