依依恋恋 | ナノ



「俺、宮内の言葉に救われたよ」


「、、、私は本当の事を言っただけだよ」


「だからだよ、ありがとう」



頭と腰の後ろに回された腕に力が入りギュッと密着する


虎杖君が生き返った時の筋肉質な体を思い出してしまい



ドキドキする



「でも私の術式の話は誰にもしてないから内緒にしてね」


「おう。でも宿儺も聞いてると思うんだけど大丈夫かな、、、」


「宿儺は最初から気づいてたみたいだよ」


「そうなのか、、、」



私達が宿儺の名前を出しても虎杖君の体が入れ替わることも無ければ
皮膚上に顔が現れることもなかった



「この前の映画の時宮内にその、、、意地悪いこと言ってごめん」


「うぇっ?あ、、、、うん、私も慣れてなくて、ごめんね」


「そういうところが宮内のいいところだと思うしそのままで居てほしいよ俺は。可愛いし」


「あ、ありがとう、、、、」


「俺さ、正しい死に方なんてわかんねぇ、、、ならせめて分かるまで、もう俺は負けないよ」


「うん」


「宮内の事も守れるようになりたい」


「ん、」



そっと身体を離して身体を屈めた虎杖君におでこをくっつけられる



「宮内、、、俺、宮内の事、、、」


「虎杖君、そろそろ良いですか?」


「「 !? 」」



頬の赤い虎杖君に至近距離で見つめられてドキドキしていたら


ガチャッっという扉の開く音と共に七海さんが現れた



「なっ、なみんっ!!、、、まじか、、、」


「すみません、今日はだいぶ時間外労働しているもので」


「そーですよね!!!ごめん宮内、色々さんきゅーな!!」


「う、うん、また連絡してね!」


「おう!おやすみ!」


「おやすみなさい」



虎杖君は七海さんと共に隣の部屋に行ってしまった


恐らく隣の部屋には何人かの遺体がある


そこから私は順平君や何名かの寿命を受け取ったから虎杖君を治療出来た


本当はたまに治療が続いた時は自分の寿命からも力を使わざるを得ない時もある


すぐに戻せるレベルの量までに留めているけど


どちらにせよこの話をすると心配かけてしまうと思うのでおばあちゃんにすらしていない


そして人が元から決まった寿命以上生きられない事は
私がおばあちゃんが亡くなる時に何とか寿命を譲与出来ないか試して
悲しくも跳ね返されてしまったので知っている


変換すれば呪力は人に分けられるみたいだけど
呪力は体力と同じでどうしても消費されてしまう


戦闘時に呪力を分けるくらいしか役にたたないと思う


でも宿儺が何か求めていると考えると
私はまだ自分の術式を完全に理解出来ているわけではないのかもしれない


自分の知らない自分の力を知るのは少し怖い


でも更に怖い状況で戦う大事な人達の為にも


私はもっと深く呪いについて理解したい





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