依依恋恋 | ナノ



「ん、、、、」


「虎杖君!!!」


「宮内、、、?あいつはっ!?」



目を覚ました虎杖君は私に気がつくとすぐに飛び起きた



「落ち着いて下さいもう高専に戻ってきました、、、待ちますので落ち着いたら虎杖君は隣の部屋に来て下さい」



七海さんが隣の部屋に居てくれるから二人きりで話をさせて貰えることになった



「宮内ごめんっ、順平に会わせられなくて」



ゆっくりと立ち上がりながら虎杖君が拳をギュッと握った



「、、、出会ったばかりでも、最期まで虎杖君に沢山思われて、順平君は救われたと思うよ」



力が入りすぎて白くなった虎杖君の手をそっと両手で包む


驚くほど体温が低い



「、、、ありがとう」


「んーん、虎杖君」


「ん?」


「私の術式はね、寿命を使うの」


「、、、っは?」


「命の灯火って言うのかな?治す時に炎みたいな呪力が見えるでしょ?怪我の度合いに比例して量は変わるんだけど"元通りにする"には私は寿命を使わないといけないんだけどね」


「それじゃあ今までっ」



バッと手を解かれ今度は虎杖君に私の手を掴まれる



「違うの!寿命を全うできずに亡くなった人や動物の寿命を引き継いで治療出来たり、これは最近わかったんだけど呪力に変換することも出来るの」


「じゃあ宮内はその寿命?を貰えば無限に生きられるの?」


「ううん、人には誰でも最初から寿命が決まっているからそれ以上は生きられないの、だから溢れた寿命を治癒に宛ててるんだ。でもそもそも亡くなった人が許可してくれないと私が寿命を受け取る事はできないの」


「許可?」


「うん。亡くなった後も無意識の中で自分の意思は残ってるみたい。さっきの虎杖君の治療は、順平君の残りの寿命からだよ」


「!!!」


「順平君はきっと虎杖君を治して欲しくて残った寿命を私にくれたんだ。だから順平君は虎杖君と出会えて良かったって感じてたと思うよ」


「、、、っ、宮内っ」


「わっ」



急に手を引かれ体のバランスが崩れるも虎杖君に抱き止められる





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