依依恋恋 | ナノ




「、、、伏黒君、痛かったよね?もう他は大丈夫?」


「あぁ、、、、ありがとうございます」


「オウ、野薔薇は自販機の方か?」


「はい、禪院先輩が来てました」



少しフラつきながら立ち上がる伏黒君の腕を支える


伏黒君の言う禪院先輩と言うのは恐らく


真希さんの妹さんの事だろう


妹だけど先輩と言う事は、真希さんは双子なのだろうか



「自販機の方は真希が行ったがアイツも性格悪いからな、野薔薇もやられてるかもしれんし向かうか、、、」


「伏黒君はここで休んでてね」


「いや、もう大丈夫だ俺も行く」


「えっ、でも、、、」


「おかか〜」


「少し距離あるし早く向かうぞ」



建物の上に伏黒君は居たけど


野薔薇ちゃんと共に飲み物を買いに行ったはずだから


きっとここまでの距離を投げ飛ばされたのかもしれない


伏黒君は頭から血を流している事が多くて治せるとはいえ不安になる


先程同様パンダ先輩におぶられながら


何事も無かったかのように隣を走っている伏黒君を見ると


チラリと私に視線を向けてすぐ前に向き直してしまう


きっと何も言うなという事なのかもしれない


心配もあまりし過ぎると不快に思われるかもしれないと


ギュッとパンダ先輩にしがみつく腕に力を入れた時


皆の走る脚が緩やかに止まっていった



「お〜無事だったか〜」


「野薔薇ちゃん!大丈夫!?」



パンダ先輩に下ろして貰いながら


真希さんと共に歩いて来る野薔薇ちゃんに駆け寄る



「マリン!聞いてよ下ろしたてのジャージにバンバン穴開けられてさ〜」


「えっ?バンバン!?野薔薇ちゃん治療するから動かないで」


「あぁ、弾は体を貫通してないから大丈夫よ。にしても丸腰相手にダサいわよねぇ」



野薔薇ちゃんの言う通り身体に痣は沢山出来ていたが


伏黒君のように出血に繋がるような傷は無かった


でも相当な数撃ち込まれている



「ごめんね、ジャージは直せなくて、、、」


「良いのよ。アイツの夏服ぶんどるって決めたから」


「ハッ、オマエら丁度やる気出ただろ」


「まぁどういう奴が居るか多少わかっといた方がいいもんな」


「「、、、、」」



真希さんとパンダ先輩の言葉に


表情が変わる野薔薇ちゃんと伏黒君



「ところで恵、私のアイスティーは?」


「、、、、何でこの状況でんなもん持ってると思うんですか」


「あ"?いちいちキレんな冗談だろうが」


「真希の冗談はわかりづらいよな」


「ツナツナ」



伏黒君と真希さんの言い合いにパンダ先輩と狗巻先輩が参加する



「オマエらぶん殴るぞ」



真希さんの一声で静かになり


今日は解散という事になった





4


【CLAP】
 【依依恋恋TOP】 



×
- ナノ -