依依恋恋 | ナノ





いくつも崩壊した建物を横目に現地で下ろして貰う


病院を出る前に急に降り出した雨が強く耳を刺激する


現場で作業をし始めた高専関係者達の中で1人


雨の中傘をささずに立っている伏黒君が見えた


地面の黒いシートを見つめていたので腕を伸ばして傘の下に入れてあげると


ゆっくり振り返った伏黒君に抱きしめられる


手放しそうになった傘をなんとか持ち直す



「悪い、虎杖が、、、虎杖に、俺はまた助けられた、、、でも、虎杖はっ」



雨で身体が冷えた震えではない
きっと泣くのを我慢してるんだ


そしてこの黒いシートの形


雨水で周りに広がる血


きっとこれが虎杖君なんだ



「、、、伏黒君、伏黒君の治療するからちょっと離して」


「いや、俺はいい!」


「だめだよ、虎杖君が助けてくれた体なんだから、、、」


「、、、、、、悪い」


「ううん、私も、ごめんね、一緒に居なくて、、、」



全体的に酷かった怪我を治療したら先程より落ち着いた伏黒君



「悪い、、、その、宮内の服まで、、、」


「大丈夫だよ!伏黒君体冷えちゃってるし風邪引かないようにして、ちゃんと検査受けてきてね」


「あぁ」



遅れてやってきた伊地知さんが伏黒君にタオルと傘を渡した


伏黒君は新田さんの車で一応検査を受けに病院へ


私は伊地知さんと虎杖君と共に高専へ戻った







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