依依恋恋 | ナノ



「体に異常は?」


「特に、、、」



虎杖君もボロボロなのに平気そうにしている



「宿儺と代われるかい?」


「スクナ?」


「君が喰った呪いだよ」


「あぁうん。多分できるけど」


「じゃあ10秒だ」



急に軽いストレッチのような事をし始める五条先生



「10秒経ったら戻っておいで」


「でも、、、」


「大丈夫、僕最強だから」



そう言って笑いながら先程私が返した紙袋を
伏黒君に投げ渡す



「恵これ持ってて」


「これは?」


「喜久福」


「「!!」」



仙台に着いて新幹線の改札を出た時に見かけたお店の名前だ
帰りに寄って買っても良いか聞いたから
多分伏黒君も中身が何かわかったはず、、、



「土産じゃない。僕が帰りの新幹線で食べるんだ」



伏黒君が不機嫌そうに顔を歪めた
頭から血を流しているしきっと五条先生が早く来ていたら
伏黒君はこんなにボロボロになっていなかったかもしれない



「面白い術式を使うな!小娘!!」


「っ!?」


「宮内!」



治療をしようと座っている彼の前に膝をついて
血が出ている頭に手を伸ばして呪力を込めた時


真後ろから聞こえた知らない声、息が止まるような圧に振り返ると


鋭い爪が目の前に迫っていた


伏黒君の叫ぶ声が聞こえ


強く感じる殺気に視界が霞む



「生徒の前なんでね、カッコつけさせてもらうよ」


「!!」



バキッという音がして飛びかけていた意識が戻ると


目の前に迫っていた手は五条先生に掴まれ
虎杖君のような、でも圧と雰囲気が違う男性が顔を殴られていた


代わるとはこういう事だったのか


倒れ込む男性、もとい宿儺も驚いた顔で起き上がりすぐに恐ろしい笑みを浮かべた



「まったくいつの時代でもやっかいなものだな、呪術師は」



宿儺が地面を抉るような攻撃を私と伏黒君の前に立つ先生に放った
反射で目を瞑ると力強く肩を引かれて何かに包まれた



「だからどうという話でもないが」


「、、、7、、8、、9」



ガラガラと物が崩れる音の中で先生の声が聞こえたのでそっと目を開くと
私は喜久福の紙袋と共に伏黒君に抱きしめられていて


前を向けば


当たると思っていた破片は五条先生より手前で浮き
止まっていた



「そろそろかな」


「おっ!大丈夫だった?」


「ありがとう伏黒君」


「、、、あぁ」



宿儺の圧が消えて聞き覚えのある虎杖君の声に戻ったので
重いだろうし伏黒君から離れる





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