依依恋恋 | ナノ


伏黒視点



五条先生に見つけるまで帰ってくるなと言われた翌日


用意してもらっていたビジネスホテルをチェックアウトし宮内と合流する



「おはよう伏黒君」


「おはよう。少しは眠れたか?」


「うん、伏黒君も休めた?」


「あぁ」


「良かった、ちゃんと呪物見つかると良いね」



治療以外で現場に行く事なんか滅多にないだろうに
遠征の上イレギュラーな事が起こり不安だったはずだ
笑っているが眠そうな宮内の頭を少しためらった後に軽く撫でる



「大丈夫だ、封印されているとは言え特級呪物。触れば残穢が残るからすれ違いでもすれば見つけられる」


「うん、私も外から頑張るね」


「無理はするなよ、何かあったらすぐに連絡しろ」


「わかった!」



杉沢第三高校の近くで宮内と二手に分かれる


俺はYシャツにスラックスで裏門から入り一応もう一度百葉箱を見る
封印が弱まって寄って来た呪霊が持ち去ったわけではないのでやはり百葉箱の中以外に残穢は残っていなかった


公立高校とは言え地方だからか高専ほどではないが広い校内を回るのは予定より時間がかかった
すれ違う生徒や教師からは何も感じられず、放課後校舎以外も見回る事にした



なんだこのラグビー場、、、


「死体でも埋まってんのか?」



ラグビー場で昨晩は気が付かなかった大型の呪霊を見かけた


昼間だし服装を用意出来なかったとは言え宮内を外に居させて正解だった



にしてもこのレベルがウロつくなんて、、、


おそらく2級の呪い


例の呪物の影響か、、、、?
さっさと回収しないとな、、、



「クソ!気配がデカすぎる」



すぐ隣に在るようで遥か遠くにあってもおかしくない



「これじゃ潜入した意味がまるでねー、特級呪物、、、、厄介過ぎだ」


「こっちだこっち!」


「はやくしろ!」


「!?」


「陸部の高木と西中の虎杖が勝負すんだよ!」



宮内のLINEを開いて
最悪の場合一度学校を閉鎖して呪いを祓った後隅々まで探すしかないという連絡をしようとした時
興奮気味に走って行く生徒達が居たので釣られるように後を追うと
教師らしき男と明るい髪色の生徒が砲丸投げをしていた



凄いなアイツ呪力なし素の力でアレか
禪院先輩と同じタイプかな、、、、、



ピッチャー投げで30m近く砲丸を飛ばした



、、、見てる場合じゃなかったな



「!!!!」



正面から走って来たそいつとすれ違った瞬間
明らかに今までで一番強い呪物の気配を感じた



「おいオマエ!って速すぎんだろ!!」


「アイツ50m3秒で走るらしいぞ」


「車かよ」


「クソッ」



呼び止める間もなくそいつの姿は遠くにあり


イラつきながら俺はまたスマホを開いた





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