依依恋恋 | ナノ




扉がノックされ硝子さんが応えると
腕を押さえた伏黒君が入ってきた



「おーお疲れ」


「お疲れ様です。すいません治療をお願いします」


「あぁ、宮内頼めるか?」


「はい!伏黒君お疲れ様、腕見るね」


「あぁ」



伏黒君の腕を見ると、鋭い爪で抉られたような傷があって痛そうだった
手先に呪力を込めて包むように伏黒君の腕に触れる



「痛いよね、すぐ治すからね」


「助かる」


「、、、珍しいな、これくらいじゃいつも来ないのに」


硝子さんが笑いながら話すからか少し気まずそうな伏黒君


治療が終わって傷跡が残っていないのを確認すると
硝子さんにもう帰って大丈夫だと言って頂いたので
久しぶりに伏黒君と寮まで一緒に歩く



「せっかく伏黒君と高専生になれたのに、最近全然会わなかったね、、、」


「まぁ派遣先もタイミングも違うからな」


「きっと伏黒君の任務は大変なんだろうけどあまり無理しないでね、怪我したらすぐにいつでも言ってね!」


「あぁ、努力する」


「もう、心配してるのに、、、」



珍しく伏黒君が微笑んでいて真面目に聞いて貰えている気がしない


だからって私が任務先に一緒に行って戦えるわけでもないので
それ以上何も言えなくなる


でもいつも通り口数は少ないけど柔らかい伏黒君の雰囲気に
伏黒君も久しぶりに会って安心してくれたのかな?と思えて嬉しかった





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