依依恋恋 | ナノ




「ハハッ!!」



領域展開を初めて見た


そして展開された領域内に入ったのも初めて


けど伏黒君はボロボロのまま無理矢理呪力を押し出しているからか
身体にも負担がかかるのか、沢山血を流している



「ケロケロ」


「!!」



影の蛙が私の周りを囲ってくれてる


私を守ってくれてるんだ


影の中で自由に動く伏黒君はずっと笑ってる


でも呪霊の動きも落ちない



「!!」


「アハッ」



呪霊が伏黒君の領域を破ってしまった



「玉犬渾の爪はアレにも傷をつけた。不意のオマエを貫くくらい訳無いさ」



伏黒君の式神が呪霊を貫き


呪霊の身体が消えていくのと同時に結界が消滅した



「、、、、疲れた」


「伏黒君!」



立ち上がろうとしたら両腕が無い事を思い出した



「宮内、アイツらの、とこに、、、」


「伏黒君!!」



伏黒君はその場で吐いて倒れてしまった


怪我をしてボロボロのまま領域展開をしてダメージが大きいはず


早く治してあげないと


地面に落ちてる自分の腕に近寄り
血の止まらない、骨や肉が見え痛みの激しい残りの腕を伸ばす


呪力を流せ


身体の先に呪力を流せるでしょ


伏黒君が頑張ってくれたんだ


私がここでたかが痛みで何もできないんじゃ
伏黒君に命懸けで助けられた意味がない


激痛と共に離れていた腕がくっつく
神経や肉を繋ぎ合わせる感覚が気持ち悪かった


傷跡も無くなった腕にはまだ痛みの感覚も残ってる


手を閉じたり開いたりして感覚を確かめ
伏黒君の元へ行き今度こそ手をかざす


良かった、治せる


伏黒君は寝てしまっているようで
首に負担がかからないように膝に頭を乗せて私の呪力も分ける






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