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深夜、鯉ノ口峡谷八十八橋



「呪霊が確認でき次第"帳"を下ろすっス」


「はい!」



夜とは言え車が停められないので
新田さんは近くのコンビニで待機する事になり
私達だけで橋に行く事に



「えっ?本当に大丈夫!?」


「おう!」



皆で橋の歩道を両側歩いたりしてみたけど
呪霊の気配は全く無かったので


何か呪いが現れる条件があるのではということで
とりあえず武田さんの話にあった犠牲者の行ったという
バンジージャンプを虎杖君がする事になったんだけど



「でもこれビニール紐だよ?身体痛いだろうし、、、千切れたりしちゃわないかな?」


「一応縛るとこタオルで巻くし紐も二重にすれば大丈夫っしょ!」


「、、、まぁ本人がこう言ってるし何かあったら俺が鵺を飛ばす」


「虎杖頑丈そうだし、もし何かあってもマリンが居るし大丈夫よ」


「そ、そっか、、、」



何故か私以外は何も不安じゃなさそうで私だけおかしいのかもと思い始めた、、、



「よっし!じゃあ行ってくるわ!」


「気をつけてね、何かあったらすぐ叫んでね」


「応!よっと!」



ビニール紐ってそんなに信用あるんだろうかってくらい
軽々柵を乗り越えてそのまま下に降りる虎杖君


今思ったけど通行してる車の人とか見たらびっくりしないのかな



「、、、、」


「、、、、」


「、、、、」


「、、、、?」


「何も起こらないね」


「起こらないわね」


「起こらないな」


「、、、、ねぇ!呪霊出た!?」



虎杖君がバンジーをして少ししても何も起こらず
ギシッギシッという紐を括っている柵の軋み音と共に
虎杖君が自力で紐を登ってきた



「出なかったよ」


「ちょっと時間が必要とか?」


「もうしばらく待ってみるか」


「はぁ〜、、、あそこ座って待ちましょ」



歩道と車道の間にある柵に座って
とりあえず朝日が昇るまで待つ事に



「大丈夫か?」


「うん、ありがとう」



通り過ぎる車の風でスカートが捲れないようにしながら柵に乗るのは少し手こずってしまい
それを見ていた伏黒君が私の背を支えてくれた



「意外と車通るね」


「そうだな」


「あんま心スポっぽくないわよね」


「そうだなぁー」


「、、、、」


「、、、、」


「、、、、」


「、、、くあぁぁぁぁぁ」


「ちょっと!呪霊の呪の字も出ないじゃない!」






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