依依恋恋 | ナノ



野薔薇視点



多目に買ったはずの花火もあっという間に使い切り


真希さんはテントに入ったきりだし
虎杖は五条先生と狗巻先輩とドラム缶風呂作ってはしゃいでる


マリンは地面に寝そべるパンダ先輩にもたれかかって多分半分夢の中で


そんなマリンの頭を側の椅子に座った伏黒が撫でている


表情が私や虎杖なんかに向けるものより優しい



「あんた告んないの?」


「、、、、は?」



ほら


マリンにはこんな表情向けた事ねーだろ



「他のやつにとられるぞー」


「そーだそーだ」


「、、、、、」



寝てると思ってたパンダ先輩は起きてたみたいで
目線だけ伏黒に向ける


伏黒は何か考え込んでるようで
マリンの頭に手を乗せたまま沈黙している


こいつはいちいち色々と考えすぎ


それが伏黒の良いところでもあるんだろうけど
呪術師なんていつ死ぬかわかんないんだから
もっとわがままに生きたらいいのに


マリンも伏黒も、私や虎杖と違って1人で考え過ぎる傾向がある


いやかと言って私や虎杖が何も考えていないわけではないし
普段おちゃらけてる五条先生だって色々考えてる


でも限りある人生をもう少し自分の為に使えばいいのにと思ってしまう



「あらら、マリン寝ちゃったの?」



さっきまで虎杖と狗巻先輩とふざけてた五条先生が
マリンの前にしゃかんで伏黒の手をどける



「、、、、なんすか」


「んー?マリンを僕のベッドに連れて行こうかなって」


「セクハラですよ」



伏黒は少し軽く言ったけど
数秒前まで騒いでた虎杖と狗巻先輩が静かになるくらいには
五条先生と伏黒の間に何とも言えない空気が生まれた



「おーそこどけ変態」



タイミングよく女子テントの中から真希さんが現れた



「おいマリン、寝床作ったからテントの中で寝ろ」


「ん、、、、、まきさん?」


「ほら、パンダの臭い移っちまうぞ。テントまで歩くの頑張れ」


「俺は臭くないぞ!!!」



真希さんが眠気でよろよろなマリンの手を引いて行ったら
何事もなかったかのように五条先生も伏黒も普通になって


複雑そうな顔のパンダ先輩と目が合った





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